『ウルトラマン』(9)
DVDでなんとなく一本だけ借りて見てみました。収録されているのは「禁じられた言葉」「空からの贈り物」「怪獣墓場」「撃つな! アラシ」の4本です。
評価は今でも高い『ウルトラマン』ですが、さすがに今見るときついかな? と思って見てみたのですが・・・はっきりいってウルトラマン最高。杞憂もいいとこでした。今あるあらゆる特撮・アニメ・映画その他いろんな映像エンターテイメントと比べてもなんら遜色ないどころか、比べるのも気の毒なくらいの超高水準の作品でした。
ストーリーは上品でかつエッセンスを欠かさないし、SFマインドあふれてます。今回見た4本は有名な話ばかりでしたが、例外なくどれも面白かったです。メッセージ性も欠かさないけど、純粋な面白さも犠牲にしてないところがすごい。
科学特捜隊の面々は、毎週登場する怪獣・宇宙人にひけをとらない個性派揃い。また『機動警察パトレイバー』の特車隊や『踊る大捜査線』の湾岸所のアットホームな雰囲気は科特隊がオリジンだと分かりました。もちろんメフィラス星人、スカイドン、シーボーズ、ザラガスといった怪獣・宇宙人もどれも魅力的でした。造形も個性付けもおいしすぎです。
あと、ウルトラマンが思ったより最強でないところも面白かったです。子供のころは「ウルトラマンいたら科特隊いらないじゃん」と思ってましたが、実際にはウルトラマンでもどうにもならない怪獣(=この世の不思議)をみんなでどうにかする、というのが毎回のパターンらしかったです。このDVDに収録されている4話の中にもウルトラマンがスペシウム光線で単純に怪獣をねじ伏せる話は一回もなく、ウルトラマンの超パワーと科特隊のみなさんのアイデアで怪獣をどうにかする、という展開でことが運びます。これが面白いんだな。
とにかく昭和40年代とは思えないハイクオリティでした。小説でも漫画でも映像でも、創作を志す人みんなに見てもらいたい、というのは決して言い過ぎではないと思います。マジオススメ。