seraphyの日記「2012-05-19 児童ポルノ法が私に及ぼした実害と、今後増えると予想される家宅捜索」を読んだ。みなさん明日は我が身ですよ。
http://d.hatena.ne.jp/seraphy/20120519#p1
何もしていないのに「児童ポルノ法違反」という形で令状を出され、家宅捜索を受けた seraphy さんという方の話。憶測の部分も多いけど、とても読みやすい文章なのでみなさんにぜひ読んでほしいです。
この方も最後で述べていますが、「児童ポルノ法」、正確には「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」の本当にファックなところは、その名に反して児童への性的搾取防止や救済には何の役にも立たない法律であるところです。
もし本当に児童ポルノを撲滅したいのであれば、当然流通より生産を叩くべきです*1。児童ポルノにおける「生産」は8割が両親などの肉親か学校の先生なわけですが、この法律はその辺りに対して罰金を科すのみで、何故親や先生は子供を性的搾取してしまうのか、それをどうすれば防ぐことができるのかに関しては全く踏み込んでいないし、そういう方向で運用もされていないのです*2。
名称はむしろ「そりゃあ子供が性的被害に遭うのは許せんよなあ」という共感を得るためだけのものにすぎず、その実は今回の例のように「大した理由もなく一般市民の家宅捜索をし、あわよくば逮捕・拘束するための令状を合法的に出す」ための法律なわけです。そしてそれが今回、その目的通りに使われてしまったわけです。
つまり上記の通り「為政者が市民を抑制し、ディストピア化するための法律」であり、かつ「子供の性的搾取なんかは左記の目的の前では正直どうでもいい法律」なわけで、児ポ法は二重に許せないのです。
この法律の成立に与した人は、日本の平和と民主主義を害したい人か、児童の性的搾取に関心がないまたはそれによって利益を得ている人か、法律とかよく分からないけど思い込みと声のでかさだけはすごい人かのいずれかです。
いわゆる「来いよアグネス」「アグネスホイホイ」で有名なアグネス・チャン氏および日本ユニセフ協会(UNICEFではない)等が有名ですが、以下のサイトに提案者および支援者の議員リストがあるので、気になる方は見てください。
(参考)同人用語の基礎知識「児童ポルノ法案/ 児ポ法 児童買春・児童ポルノ処罰法」
http://www.paradisearmy.com/doujin/pasok3e.htm
2003年 (平成15年) 7月11日 改正法案提出関係議員一覧(児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案提出関係議員一覧)
提出者 八代英太 丸谷佳織 野田聖子 山谷えり子
今、ダウンロード禁止法なども注目を集めていますが、同じように考えれば「適当な理由で令状を出して合法的に家宅捜索をし、(自分にとって)怪しい人、(自分にとって)害がありそうな人を逮捕拘束したい人」と「CDが売れないことをネットのせいにしたい人」が手を結んだ結果ということになるかと思います。
成人の皆さんはこういった動きにはよく注目して、おかしな法律が通ってしまわないように、通ってしまったらしまったで変な運用がされないように気を配りましょう。
- 作者: 森山真弓,野田聖子
- 出版社/メーカー: ぎょうせい
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法律が実際にどのように運用されているのか、議論も検証もされていないってことですよ? これってすごく怖いことじゃないですか?