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アニメや特撮やゲームやフィギュアの他、いしじまえいわの日記など関する気ままなブログです。

『機動戦士ZガンダムII-恋人たち-』

 昨日は映画の日だったので、無理して行ってきました。まだ風邪で喉が痛いので、行ってすぐに帰ってきました。風邪、悪化しなかったようで安心。
 で、三部作が予定されているZガンダムの第二章です。以下、ネタバレはしませんが気になる方は読み飛ばしてくださいな。


 正直なところ、あんまり面白くなかったです。以下、思いつく理由を書いていきます。
・第一に「恋人たち」というタイトルがお飾りになってしまっていることが挙げられます。確かに恋人たちはたくさん出てくるのですが、そこに一本軸のようなもの…例えば主人公とヒロインの関係を軸に、とか、ある一つの状況下での様々なカップルの様相の変化を描く、とか、そういうのがなかったので、ただ単にカップルがたくさん出てきてチューしまくるって印象になってました。カミーユアムロベルトーチカの関係を見て触発される→フォウとの悲恋を通じてカミーユが"恋人たち"というものの見方を知る→フォウのおかげでシャアとレコア、サラとカツ、自分とファの関係が見えてくる、というくらいのスジを作ってほしかったです。
まあ、彼氏に無理矢理ガンダム観に連れてこられた女の子に対して心遣いをしたい、という監督の良心には心打たれるものがありますが。
・また上記のこととも関係するのですが、結局戦闘シーンや作戦シーンばっかりで緩急に乏しかったのにもうんざりさせられました。みっちりしたストーリーの中にがんばって息抜きシーンを入れてあるのですが(それこそTV版に比べればずいぶん意識して入れている感じでした)、あんまり効果をなしていないように感じました。TV版で先の話を知ってるからそう感じるのかな?
星を継ぐ者と同様、カミーユ少年がTV版に比べていい子になっているのですが、そのおかげで主人公としての格がなくなってしまったように感じました。反抗しない、逆をいえば状況に流されるだけの自我のない少年に見えてしまいました。大人しい少年ならまあそれでいいので、その分カミーユの独白などを増やしてほしかったです。
・ヒロインであるフォウの登場シーンがやたら少ないのに対し、TV版では端役だったサラがいやに出番が多くて混乱しました。「ハーフムーンラブ」をまるまるもってくる構成はどうなのかと。 まあ最後の敵となるシロッコと関係の深いキャラだけに、シロッコのキャラの描き方を変えるための布石なのだと思いますが…サラもってこられてもなあ…
・作品タイトルであるZガンダムの印象が薄すぎます。なんとなくアポリーが乗ってきて、次の戦闘シーンでは百式のメガバズーカランチャーが大活躍、Zはハンブラビに大苦戦、ってそりゃないでしょう。新作画の変形シーンが見所ってことでしょうか? ただ変形してるだけですよ? しかも別にその変形によって物語がどうこうなるってものでもないし…主人公が乗り換えたんだから、「マークツーとは全然違うぞ!」という活躍を見せてほしかったです。アクションがマークツーとほとんどいっしょなので乗り換えたという印象が残りませんでした。
Gacktには歌をもっとがんばってもらいたかったです。前回の「メタモルフォーゼ」とテーマをそろえているのは分かるのですが、曲も楽器も似すぎているため印象に残りませんでした。ロード第二章よりも前といっしょ感が強いです。まあED曲ということであんまり前に出てこない作りにしてあるのかもしれませんが。最後の戦闘シーンとかで流してくれたらよかったのに。ついでに「この戦闘がラストの盛り上がりですよ」というメリハリにもなるし(監督は途中で歌を流すのが嫌いみたいだけど)。


 まあとりあえずこんな感じでした。劇場版Zガンダムは私的には今のところ、良くも悪くもちょっとニュアンスの変わったTV版の総集編って感じです。TV版を50話見るのがめんどい人には勧めますが、それくらいならファーストやVや∀を見たほうがいいですし…いや、小さい頃からZガンダムに憧れていた人にはオススメできるかな?
 まあ上記の評価も第三部「星の鼓動は愛」視聴までの暫定的なものですから、最終作に期待ってことでいいと思います。終わってみて理解できるところもあるかもしれないですしね。「誰も知らないラスト」一体どうなるんでしょう? 割と素直に待ち遠しいです。