木綿のハンカチーフ。
サブジェクトの曲、かつては「いい歌だなあ、まったくこの男は悪いヤツだぜ」と思って聞いていたんだけど、最近なんだか違う受け取り方をするようになってきました。
や、いい曲だし気に入っているのには違いないですが、この主人公の「私」にあんまり共感できなくなってきてしまっているのです。
だってこの女*1、言うこと言うこと全部「NO!」でその後続くのは決まって実現不可能な自己主張ですよ(最後以外)。確かにこの男性はやむを得ずというよりは自分の意思で上京しているように思えますが、それなら女性が一緒に行かなかったのもたぶん自分の意思じゃないですか。一緒に行けない理由が描かれていないし。昔だから一旗揚げて返ってくる男を待ってるのが普通なのかもしれないけど「田舎っぽい男が好き」とかいうのは割と自分の嗜好っぽいとも思います。
「早く帰って来い」「キス以外いらん」とか言うのではなく、欲しくなくても「なら○○が欲しいな」とか言って男を鼓舞してあげるのがいい女ってもんじゃないでしょうか? そのくらいの価値観のすり合わせがあってもいい気はします。
それに以前は「4番で男が街を選んで彼女を捨てた=男が悪い」と思っていましたが、よく聞いてみると女は3番の最後で「草に寝転ぶあなたが好きだったの」と先に男に見切りをつけています。そんなに何も出来ない哀れな女って感じでもないのです。本当に好きなら変わっちゃっても好きなはずだし、追いかけたりするよねえ…*2
そういうわけで何だか以前と違った感じでこの曲を聴いたりしているわけですが、それはそれとしていい曲ではあると思うのです。魅力が衰えない、というか。
いい作品はいろんな見方が出来る…ってことなのでしょうかね。