LM314V21

アニメや特撮やゲームやフィギュアの他、いしじまえいわの日記など関する気ままなブログです。

自作を語る「近寄られると腹が立つ」

 この変なタイトルの話は操山高校文学部刊行の冊子「すみれの花とぶたの花」の74号に掲載されたものです。高校2年生にはなっていたかな。私にはネーミングのセンスがあまりないようですね。
 今回はどちらかというと「うどん屋の〜」寄りのギャグっぽい話で、サブキャラだったミーナを主人公にして趣向を変えています(という手段はすでに一つ前の話でも使っちゃってるんだけど)。話のコンセプトとしてはかなり明確に①ファンタジーもの批判②ストーカー批判で、「うどん〜」に比べるとやや風刺? って感じのギャグになっています。あまりに露骨で、方法としてはかなり稚拙だけど。とにかく今回の「自作を語る」では、そのコンセプトの辺りを中心に解説していきたいと思います。


 まずは①ファンタジーもの批判について。
 そもそもこのシリーズ自体に当時流行っていた(というより、流行り始めていた)ファンタジーものに対するアンチテーゼというコンセプトがあったのですが、そのコンセプトが最も露骨に表れているのがこの話です。今読むとやや過激というか大人気ないというか…自分がこんなこと書いてたんだなあと思わずにはおれません。まさか人気作品のキャラクターの実名(に近いもの)まで出していたとは…ま、まあ実際大人じゃなかったんだし、これくらいはっちゃけててもいいんじゃないでしょうか、男の子らしくて…
 ちなみにブラクニーゼという響きの悪い名前にも由来があります。当時同じ冊子でファンタジーものの連載をしておられた先輩がいまして、その小説の中にクラブという大魔法使いキャラクターがいまして…まあそういうわけでニセクラブですね。そんな先輩の著作物まで揶揄しなくても、と思いますが…若さゆえの過ちです。若者にはよくあることです*1。認めたくないものです。
 服装に関しては、今主流のファンタジーものは当時のそれに比べるとかなり落ち着いている、というか、現実的なものになっている気がします。そういうわけでこの話で書かれていることはもはや有用性がないようにも思えます。お役御免ってことですね。
 ところでラノベにおける服装の変化には『エヴァンゲリオン』のヒット→ラノベ界でも精神性や現代性を重視したものが主流に(『ブギーポップ』とか?)→現代劇が増えたため、ファンタジーものにも「普通の服」が逆輸入される形で増加…という流れがあったんじゃないかと個人的には睨んでいます。また、書き手、読み手双方のある意味での「手抜き」*2から、現代を舞台にした物語が増えた、という可能性も考えています。どうでもいいことかも知れませんが。


 次に②ストーカー批判について。
 ストーカーって言葉、この辺りで出てきたのかしら? と思って調べてみると、2000年にストーカー規制法が施行されたみたいです。この話はおそらく97年か98年くらいに書かれているはずなので、時事ネタだったみたいですね。
 加えて、確か部活の先輩(女性)がそういうストーカー的なものから被害を被り、その怒りを込めて書かれた話だったような気がします。もはやどんな事件があってどんな怒りを燃やしたのかも覚えていないのですが…しかも話からは読み取れないし…(このストーリーとは全く違う事件だったと思う)


 というわけで、青臭い批判精神丸出しの一編でした。ちなみに浦沢直樹の『パイナップルアーミー』という漫画にこの話とほぼ一緒の回があります。当時私はすでにその漫画を知っていたはず…
 人のふんどしで他人を批判とは、当時の私もいい度胸してますね*3

*1:ちなみにその先輩自体は立派な方です。

*2:これは「敷居が下がった」と読み替えてもらっても同義です。

*3:当時の私の名誉のために書き残しておくと、上の類似に関しては読者に言われて気付いたもので、黙ってパクってやろうという意図は全くありませんでした。指摘されて「ええ、そんな回あったっけ?」と思ったのを覚えています。でも読んでいたはずなんだよなあ…全く忘れて書いちゃったのでしょうか?