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アニメや特撮やゲームやフィギュアの他、いしじまえいわの日記など関する気ままなブログです。

KADOKAWA×はてな「新・小説投稿サイト準備会」運営担当様への感想と要望 #カドはて小説投稿

 ハルヒの声優さんの平野綾さんのお誕生日ということで穏やかなお祝いムードだった10月8日深夜、以下のようなニュースが飛び込んできました。


 (参考)KADOKAWAが二次創作も受け付ける小説投稿サイト、はてなと共同開発、ティザーサイト公開
 http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20151007_724618.html


 (参考)KADOKAWA × はてな「新・小説投稿サイト」今冬リリース!
 http://kaku-yomu.kadokawa.jp/
 


 要約すると、以下の3点が見どころらしい。

  1. KADOKAWA×はてなによる、書きやすく読み易く共有しやすい小説Webプラットホームを今冬リリースする
  2. 上記サイトにアップされた作品を対象にWeb小説のコンテストを開催する
  3. 上記サイト上では、KADOKAWAがライセンスを持つ指定のラノベ作品の二次創作を許諾する


 上記のニュースをためつすがめつ読んでいるうちに、ちょっと言葉にしにくい種類のもやっとした感情を持ちました。ただ、その時はうまく言語化できなかったので、今日一日考えを整理しておりました。
 そんなこんなしているうちに、いい具合に以下のエントリーを見つけました。


 (参考)新・小説投稿サイト準備会「皆さまの声を聞かせてください」
 http://kadokawa-toko.hatenablog.com/entry/2015/10/08/000000


 せっかく「聞かせてください」とのことなので、今の私の考えをお願いという形でまとめ、聞いていただけるようにしたいと思います。
 というわけで、私の考えを、準備会の方へのお願いという形で、以下書かせていただきます。
 あくまで一個人的な考えではありますが、指摘などありましたらコメント欄などにいただけますと幸いです。

「新・小説投稿サイト準備会」運営ご担当様へ


 初めまして。私はいしじまえいわと申します都内の会社員です。
 幼少の頃より『ロードス島戦記』シリーズや『涼宮ハルヒ』シリーズをはじめ、数えきれないくらい多くのKADOKAWA様作品に育てられ、Webに触れるようになってからははてな様でログ残すようになり、10年以上のユーザーとなりました。また、これも幼少の頃から大学生時分までは見よう見まねで小説などを書いていたこともありましたので、この度のKADOKAWA様×はてな様のタッグによる小説投稿サイトの設立は、まるで自分のことのように嬉しく思っております。とても大きなプロジェクトとお察ししますので、その陰には多大な苦労があったことと思います。まずは無事リリースされたこと、誠におめでとうございます。


 本日、早速ティザーサイトを拝読させていただきました。今回のサービスには以下3点の目新しい価値があると感じました。

  1. KADOKAWA×はてなによる、書きやすく読み易く共有しやすい小説Webプラットホームを今冬リリースする
  2. 上記サイトにアップされた作品を対象にWeb小説のコンテストを開催する
  3. 上記サイト上では、KADOKAWAがライセンスを持つ指定のラノベ作品の二次創作を許諾する


 また、準備会様のはてなブログ(http://kadokawa-toko.hatenablog.com/entry/2015/10/08/000000)にて反応を受け付けてくださる旨書いていらっしゃるのを読みました。そこで、今回のお取組への私なりの感想と1点の要望を、以下書かせていただきます。お時間のある時で結構ですので、お目通しいただけましたら幸いです。


 上記3点の中で、1と2については忌憚なくとても嬉しく思います。私ははてなダイアリーはてなブログを普段使いさせていただいておりますので、こういった書きやすい形で誰でも小説が書けるというのは、400字詰原稿用紙やワープロを使っていた時のことを思えばとてもいいことだと思います。紙への記載よりもSNSなどでの言語コミュニケーションに慣れた若い世代の方々にも、きっと入門しやすいプラットホームになるかと思います(個人的なことを言えば、自動ログ機能とルビ打ちの機能、それに書き方のチュートリアルコンテンツなどが実装されていれば文句なしです)。また、アワードの設置も、投稿の励みになると思います。今から審査員の方々のラインアップが楽しみですし、私自身、年甲斐もなく何か書いてみたいな、という気持ちになりました。


 3の二次創作の許諾につきましては、気になることがございます。以下、二次創作可とされた作品の中で、私がある程度知識のある『涼宮ハルヒ』シリーズを軸に、思いと1点の要望を述べさせていただきます。


 今回の二次創作可というリリースについて、原作者の谷川流氏のコメントや意思表示がないことが気になりました。これは『涼宮ハルヒ』シリーズと谷川氏に限定したことではないのですが、原作者の方は二次創作や今回の取り組みについてどのようにお考えなのか、ウエルカムであることは想像に難くないのですが、それをご本人の言葉で直接表明していただきたいなと感じました。


 二次創作というのはこれまでは原作者や版元に隠れて行うことが多く、版元が認めてくれるという点で今回の小説投稿サイトは非常に画期的だと思います。一方、そういう経緯があったからこそ、同じく権利を有している原作者にもきちんと認めていただかないと、二次創作者側にも読者にも一抹の不安を残すことになるように思うのです。
 二次創作者は一次創作へのリスペクトがあるからこそ二次創作者になるので、二次創作者と一次創作者の関係は明確にクリーンにしておくべきかと存じますし、これは、二次創作者に対して「仮に自分が将来一次創作者へとなった際に、自分、自分の作品、自分の作品の版元、自分の作品のファンの四者がどのような関係になるのか、言葉を替えれば、どのように扱われるのか」という将来イメージを提示することにもなります。これがクリアであればあるほど、ダイレクトに創作モチベーションにつながるかと思います*1


 また、特に『涼宮ハルヒ』シリーズについては、2011年の『涼宮ハルヒの驚愕』刊行以後、新作を刊行されていない状況かと存じます。連載誌であるザ・スニーカーが休刊されたものの『涼宮ハルヒの観測』にて次回作の構想を書かれていましたし、同じく二次創作を許諾された作品の中には刊行中の作品もあるようでしたので、個人的にはシリーズ終了というわけではないと認識しております。ただ、ファンからは、原作者と版元のシリーズに対する意思(終わりなのか? 今後も続くのか?)を確認できない状況が続いています。そういった状況ですと、二次創作をしようにも、躊躇や遠慮ができてしまいます(たとえば、キャラクターや作品設定など、どこまでが確たるもので、どの辺りは今後作中で変化の可能性があるか、など、二次創作作品の精度に関わる問題にもなります)。
 二次創作者は第一には作品の大ファンですので、シリーズがどういった状況にあるのか、今後があるならどうなるのかを、版元様はもちろん原作者様からも明示していただくことが必要だと思います。


 今後、本邦のTPPへの参加と著作権非親告罪化などに伴い、作品と権利をめぐる関係は発展を必要としますし、その中でKADOKAWA様とはてな様による新小説投稿サイトは価値のある取り組みになると思っております。だからこそ、原作者の皆様からファンとこれからの創作者に対して、意思表明をいただけることを強く望みます。


 お忙しいところ誠に恐縮ですが、上記の件、ご一考いただけましたら幸いに存じます。
 物語を愛する一人として、本取り組みの成功と今後のご発展を、切に願っております。


 書いているとなんだかんだで長くなってしまいましたが、以上です。
 ティザーサイトか12月オープンの本サイト上で、二次創作OK作品の作者の方々からドバーンとメッセージが出てくれたらいいな。その中で谷川氏の口からハルヒシリーズの続刊情報が出たらもう言うことないな。そうしたらあとは私が10年ぶりくらいに何か書くだけだな!!!(※これがオチです)


*1:二次創作者の方には「原作者にコメントをもらうなど恐れ多い」「隠れて書きたい」という方も数多くいらっしゃると想像します。今回は今後の創作活動の発展を考えた上で、私論として書かせていただきました。