玖足手帖「無敵超人ザンボット3「1〜3話」まどマギを35年前に超越」読んだ。ザンボット3マジオススメなのでみんな見るといいです。
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富野由悠季監督の作品の中でもお気に入りの一作「無敵超人ザンボット3」(1977)を3話目まで見た富野監督大ファンの方の感想です。3話目までにしか見ていないにもかかわらずザンボ全編に敷衍できる作品テーマの読み込みをされていて感心しました(まあそれは作品自体が序盤にきちんとコンセプトを提示できているということでもあるんだけど)。
また、「魔法少女まどか☆マギカ」との対比で、まどマギが魔法少女ものに対するパロディであるのと同じく、無敵超人ザンボット3もまたそれ以前のロボットものをリアルにしてみた一種のパロディであるという指摘はなるほどと思わされました。
なるほどと思った一方で、前者が「魔法少女」というコンセプトにかなり依存した設定であったように見えたのに対し*1、後者はロボットものというフォーマットを取りながら(「リアルに描写」というよりは)現実に即したドラマにしているという趣向なので、パロディとは言えず監督にその意図もないのでは? とも思いました。それを証拠に、前者は「魔法少女」というフォーマットについて知らないとよく分からない個所があるけど(なんで「契約」しなきゃいけないの? とか、なんでわざわざ女の子ばかりが対象になるの? とか)、後者は現実に即しているのでロボットアニメについて知らなくても、話は理解できるようになっています。
より端的に言うと、パロディとしてのリアリティとドラマツルギーとしてのリアリティは似て非なるもので、だからこそ富野監督の「なんで、まどか☆マギカが一番なんだ!」発言が出てきたんじゃないかな? ということでした。そういうわけで、個人的には「まどマギを35年前に超越」というのは、比較しにくいというか、比較にならないんじゃないかな? と思います。煽り文句にマジレスですね。
閑話休題。
勢いと熱があって魅力的なエントリーですので、気になる方はまずは上記リンク先を読んでください。そして「面白そうだな!」と思われた方はぜひ「無敵超人ザンボット3」そのものも見てみてください。
私としては、ザンボット3は「戦い、特に防衛戦はいろんなものを失うのを少しでも食い止める行為であり、失う程度が変わるだけ。純粋にマイナスで、得るものも生まれるものも全くない」という、至極当たり前の事実をこれでもかというくらい知らしめてくれる作品でした。戦に勝つことで得られる達成感? 名誉? そんなものはなく、愛する人も平和も常識も青春もすべて奪われていって、なんとか勝っても少し残るだけであり基本的に失う一方。完全に損。ザンボット・ムーンアタックをかっこよくキメて敵をぶっ倒しても、友達の家族が戦闘による津波の影響で行方不明になったり*2戦禍を免れるために疎開しなきゃいけなくなってたりする以上、爽快感なんかありません。そりゃそうだよね常識的に考えて。
戦争って損だ、絶対イヤだ、と思わせてくれるという意味で、素晴らしくよくできた反戦アニメだと思います。
シリアスで鬱で救いのない話なので「いい話だよ!」とは言い難く、カタルシスはありますとしか言いようがないんだけど、実際ある種の感動があり面白い作品です。作画は基本的に酷いと考えた方が無難です。完全に期待しないで見ておけば、たまに金田伊功氏がやってたりして「おおっ」と思わされてラッキーです。
全23話でさっくり見れますので、マジオススメです。お時間のある方はぜひどうぞ。
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あと、上記リンク先を読んでいて「なんか既視感のある引用文だなあ」と思った個所が、10年近く前に自分が書いた文章だったのでびっくりしました(これ→「2004年11月25日「富野由悠季講演会in京都精華大学 アセンブリーアワー」体験記03」)。はてなブックマークのゲーム・アニメカテゴリの「最近の人気エントリー」に入っちゃったりするようなエントリーで引用いただき、本ブログのアクセスもさぞかし右肩上がりだろうと思って見てみたら微動だにしておらず思いっきり平常運転で二度びっくりしました。
玖足手帖の nuryouguda さん、昔の文章を読んでいただき、ありがとうございました! 4話以降の感想も楽しみにしています!