togetter「なぜ山口教授は橋下市長に一方的な負け方をしたのか。」ショボかったからではないでしょうか。
http://togetter.com/li/243050
先日本ブログでも紹介した、橋下さんと山口さんの対談? について。
「学者の流儀」を本気でやるなら、CPU役の教授先生とは別に、事例検索担当のお弟子さんを4人ぐらいくっつけて、チーム組んでやっと対等ぐらいだと思う。インファイターをリアルタイムでアウトレンジするのって、たぶんそれぐらい難しい
学者さん=賢くて頭の回転が速いイメージ=CPUという喩えなんだと思うけど、学者の本分は「専門分野について、歴史に基づく圧倒的な量の知識を有していること」と「それに裏付けされた見識により、社会に対してアドバイスや申し立てをすること」だと思う。頭の良さはそれらを処理するのに必要なだけ。
最近はネットやデジタルデータのアーカイブによって全ての知識を記憶する必要性は減ってきて「知識はネット上にある。それをいかに効率的に取り出せるか=頭の回転の速さが重要」となってきつつあるけど、元々情報の検索に優れたアーカイブのない時代からの学者の価値は、まずは知識量だったように思う。
そういう意味で、山口さんは学者として「HDD+その中身である膨大なデータ+それを高速処理するCPU」でなくてはならなかった。彼が橋下さんにしてやられたのは、単にHDDの容量とデータ量と処理速度のどれかまたは複数に問題があったから。
記憶容量が少ないのは元来学者としてダメだし、相手がいくら実務家だからといって、数万年に及ぶ人類の歴史の「教育」を司る学者として、知識量で負けるなんてあってはならない。
切り返しの早さは学者の本分ではないので言いくるめられることがあったとしても「知りませんでした」と言い負かされちゃうのは学者として全くなってない。せめて「それについては知りませんが、○○のようなほぼ同じ事例が過去に○件あり、そこからこういうことが言えます」と返せないとダメ。
というわけで、このエントリーでの私の意見は以下の通り。
- 山口さんは学者として失態を晒した(橋下さん自身や彼の主張の善し悪しは関係ない)。
- 「「学者の流儀」を本気でやるなら、CPU役の教授先生とは別に、事例検索担当のお弟子さんを4人ぐらいくっつけて、チーム組んでやっと対等ぐらいだと思う。」というのは、google検索時代的な考え方。事例検索担当のお弟子さんなど、本来学者の流儀としてあり得ない。
- 学者をなめるな。
なお、「なぜ山口教授は橋下市長に一方的な負け方をしたのか。」に対する答えは、本エントリーの表題通りだと思う。
お互い得意とする土俵が異なる人間同士が議論するときには、まずはどんなルールでお互いが組むのかを相談しないといけない。相手の土俵にのこのこ出向けば、もちろん相手のルールで叩きつぶされる。負けてみせることに意味があるのでなければ、これではしょうがない
ルールのすりあわせは、まずは「私にはこれができません。この部分については語るべき言葉を持ちません。その代わりこの分野についての知見からこう語ろうと思います」みたいな、挨拶から入ることになる。これ抜きで、「あなたは間違っている!」をやると、相手のルールで試合することになる
ガチ勝負の世界で「挨拶代わりのルールのすり合わせ」なんてあり得ようはずがない。学者と元弁護士の為政者、お互いその道のプロでスタンスも議論のための常套手段も決まっているんだしそのことは顔を合わせる前から分かっているんだから、各々自分の得意な話し方で議論すればよろしい。為政者が現状と現実論で、学者が過去の事例とそこから導かれたセオリーで議論するからこそ、この二者が語り合う意味がある。それをしたのが橋下さんで、しなかった、または出来なかったのが山口さんでしかない。
つまり、ワンサイドゲームになってしまったのは、残念ながら山口二郎さんが学者としてショボかったから、としか言いようがない。
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