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アニメや特撮やゲームやフィギュアの他、いしじまえいわの日記など関する気ままなブログです。

020『電人ザボーガー』(2011)

http://www.zaborgar.com/

 板尾創路主演であり特撮番組のリメイクで評判も上々と聞いていたので、ずっと前から興味はありました。たまたま休みの日に記念イベントつきの上映があったので、一念発起して昨日見てきました。

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 アニメや特撮のリメイクというと、なんか無理に今風にしたりシリアスにしたりタレントを起用して原作の雰囲気が台無しになったり…という印象があるけど、今作は『基本100%原作リスペクト』だった。つまり、子供向け番組として制作された原作のスタンスを崩さない+当時メインの視聴者だったファンの期待にも応える、という内容になっている。主題歌もエンディング曲も当時のまま。メカや主人公のデザインも基本は昔のまま(少々かっこよくなっているが)。ストーリーも二部構成にしたところ以外はどうやら原作に近いらしく、リメイクものにありがちな変に厨二臭いところのない、強いて言えば小二(かそれ以下)テイスト。
 結果、少々きわどいシーンはあるものの、子供と大人(主にお父さん?)が一緒に楽しめる作品に仕上がっていると思う。作り手の異様な原作愛を感じた、実写版『トランスフォーマー』1作目に近いものを感じます。


 こういった原作愛を感じるリメイク作品ってかなり稀なので、自分自身は原作をほとんど知らないにもかかわらず、幸せな気分になれました。スタッフロール時に流れる原作映像が「おお、ほとんど一緒じゃん」と声が出るほど一緒で、凄く感心しました。
 また、原作と一緒というところにこだわるだけでなく、板尾起用の上「熟年期」を設定し二部構成にしたという大胆なアレンジも、元々4クールの原作をうまく2時間に収める工夫として効果的に機能していたように思う。見る前は「青年期=シリアス」「熟年期=ギャグ」という笑わせ方をするのかと思っていたけど、実際にはどっちもギャグで統一感があり、逆に「原作主人公をオッサンに改変して笑いをとった」といういやらしい見え方にならずに済んでいるように感じた。
 戦闘シーンも、見た目ほとんどギャグのザボーガーが、オープニングの止めカットから異様にかっこよく演出されていて好印象。特に最後の方の空中戦→バイクに変形して疾走→再度ロボットに変形して空中戦という目まぐるしいバトルシーンは見ものでした。変形もので実写だからトランスフォーマーっぽくなるかな、というところが何故かマクロスっぽくなっていたのは、たぶんCGや演出の人の日本魂によるものだと思う。
 強いて欲を言うのであれば、最後の戦いを決心する主人公の再起のシーンを、もっともっと盛り上げてほしかった。せっかくの原作主題歌が少し浮いちゃっていたように感じたのが残念です(今回の主題歌の方が原作リスペクト過ぎて、ちゃんと似せられていて違いがわかり辛かったのも、逆に良くなかったかも)。
 でも、変に気負わずスカッと2時間楽しめ、嫌な後味を残さない映画として、特に文句の出ない映画だったと思います。少しでも昭和の特撮が好きな方であれば、問題なくオススメです。


 あと、実は映画のイベントに参加するのは個人的に今回が初めてだったので、そういった意味でもよかったです。生のストロング・ザボーガーと握手してもらえたし、テノール歌手の高野二郎さんという方にライブで主題歌&ED曲を歌ってもらえたし、主演や監督はいなかったけど、非常に満足度が高まりました。じゃんけん大会に参加しながら、ああ、映画って興行なんだなあ、と実感した次第です。

「電人ザボーガー」DVD-BOX【期間限定版】

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