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アニメや特撮やゲームやフィギュアの他、いしじまえいわの日記など関する気ままなブログです。

003『仮面ライダーBLACK 恐怖! 悪魔峠の怪人館』(1988)

仮面ライダー THE MOVIE VOL.4 <完> [DVD]

仮面ライダー THE MOVIE VOL.4 <完> [DVD]

 TV放送されていた特撮番組『仮面ライダーBLACK』の劇場版2作目。
 本編第37話「想い出は夕張の空」と同じく、北海道夕張市でのロケ。当時の市長・中田鉄治氏や夕張産ロボット・ユーバロットが出演し、さらに映画開始早々シャドームーン様直々に「夕張。夕張岳を控え、前方には石狩平野がひらけるこの地こそ、新たなるゴルゴム帝国都市を築くのに最もふさわしい。まもなく夕張ゴルゴム世界侵略の一大拠点となるであろう」とご当地自慢してもらえるという、なんとも夕張市に優しい一作です。もちろん仮面ライダーBLACKこと南光太郎こと倉田てつをも「人々の命と夕張の街は、この俺が守る!」と愛夕張心高く息巻いておられました。こんなに夕張という単語が出てくる映画を見たのは初めてです。
 劇場版ということで火薬やアクションの量も割り増しになっており、30分というTV版とほとんど変わらない尺でありながら結構満足できる一作です。やっぱり仮面ライダーが爆煙の中をバイクで疾走したり、崖から飛び降りんばかりのアクションをキメたりしているのは見ていて気持ちがいいですね。最近はそのあたりをCGにしちゃって手を抜きがちなので、ちょっと物足りなかったりします。例えば最近見た『仮面ライダー龍騎』劇場版では、ビルの上から空中に集う数百匹のミラーモンスターの群れに向かってたった二人でライダーキックかましていったりするのですが、じゃあそれとこの映画でBLACKがツノザメ怪人と抱き合ったまま崖を転がり落ちていくシーンとどっちが迫力あるかというと、断然後者なわけです。ハデさってのは描かれる対象によってではなく、描かれ方によって決定されるということですね。これはハデさだけでなく何でもそうかと思います。
 ストーリー的にはシャドームーン復活の直後辺りに位置しているらしく、まだシャドームーンのキャラクターが掴めてない感じがするのはご愛嬌です。本編の番外編ということで、ストーリーに窮屈な感じがあまりなく、人物関係を知っている人だったら素直に楽しめると思います。といってもブラックサンとシャドームーンの確執とかは大胆にオミットされているので「南光太郎=仮面ライダーBLACK=正義のヒーロー、ゴルゴムやシャドームーンやツノザメ怪人=悪いヤツ」と分かれば初めて見る人にも割と優しいかもしれません。というかそのくらい初見でもすぐに分かると思います。
 最近の仮面ライダー映画は本編と独立した話になってたりします。その方が初見の人を引き込めるという考えがあるからなのかも知れませんが、個人的にはこのくらいやってくれたほうがTV版も見ようかな? という気になるんじゃないかと思いました。


 同TVシリーズが好きなため概ね満足な作品でした。ただ、バトルホッパーが出てこないのはちょっと残念かな。
 

 ☆☆★