岡田斗司夫を囲む会。
先日紹介した「岡田斗司夫を囲む会」、チケット売り切れだったのですが、キャンセル待ちの結果なんとか参加権を得ました。40人という小さい枠だったし、先日の新宿ロフトの話とか聞きたかったので嬉しかったです。
話の内容は主に(というか全部)「プチクリ」という彼の提唱した新しい概念・生き方に関するものでした。詳しくは彼のサイト「岡田斗司夫「プチクリ」公式ページ」(ここ)か、氏の著書を参照してください。あ、私もブックレビューを書こうかな。
で、本イベントでは「じゃあ実際にどうやったらプチにクリエイトできるか?」ということを説明したり目の前で実践してみたりしてくれました。例えば「完全オリジナルをいきなり作る必要はないんだよ」ということで、宮崎駿監督が『スーパーマン』の銀行強盗ロボットを模倣して『ルパン三世』最終話「さらば愛しきルパン」に出したという話を証拠映像と共に見せてくれたり、『デスノート』の要素を抽出し、手を加えて新作少女漫画のプロットっぽいものにしたりといった面白いプレゼンをしてくれました。
また「面白いと思ったものを集めて自分の視点を生かして編集するだけでもプチクリだ」ということで、93年の政見放送の面白いところだけをピックアップしたものや、各種MAD MOVIE(といっても昔のものだから全てパソコンを使わないお手製編集)を見せてくれたりもしました。特に『サイボーグ009』(新)と『美少女戦士セーラームーンS』のOPは曲を入れ替えてもなんかしっくりくる、という証拠映像や、80年代の四国の大学生が夏休みを全部使って作った天下一武道会のPV(曲は「めざせ天下一」で、オンエアの映像を録画し地道に編集したもの)を見せてくれました。氏のコメント力もあって、どれも面白かったです。
トーク終了後は食事会に移り、氏は冊子販売のための別席に移動しました。私は3冊買い、ちょっと話したりサインしてもらったりしました。
氏のトークはいつもどおり面白かったのでそれに関しては満足でした。メモを取ってきたのでそのうちまとめてサイトのほうにアップしたいと思います。
ここではいくつか不満があったことだけ書き残しておきます。すぐに忘れちゃいそうなので。
・最初に氏が「『プチクリ』読んでくれた方はどのくらいいますか?」といって手を上げたのが半分くらいだったため、プチクリの概念の説明から入ってしまったのが一番悔やまれます。みんな、本読んでから参加しようよ*1。おかげで本の読み聞かせみたいになってしまった部分もありました。その時間の文話す予定だった話のほうを聞きたかったな。
・「囲む会」という名の割に、食事中は別席に移動してしまい囲むことができなかった。一緒に食事という形式だと思っていたのでいろいろ話したいネタを考えていただけに残念でした。
・スタッフの方はフレンドリーな感じでよかったのですが、岡田氏にまでタメ語っぽく話しかけているのには違和感を覚えました。いくら共催という形でも、ちょっと不躾じゃないかな? と思いました。岡田氏もやや腹を立てていたように見えました。もちろん氏は顔には出さなかったけど。スタッフの方にそういう微妙な空気を出されるとなんだかこっちが困ります。
・私も含めてですが、考えたらずな質問は失礼に値するなと実感しました。立ち聞きしていていると「そんなこと聞いてどうする」「本に書いてあっただろう」という質問もちらほら。特に「オタクイズデッド」絡みの話はよく出ていて氏を辟易させていたみたいです。「3時間かけて話した話を今度は5分でしなきゃいけないのかよ」みたいな。私もそれ絡みで聞きたいことがあったのですが、その先の問題をちゃんと提起できるほどにまとまりきっているか不透明だったので、聞かなくて正解だったかなあと思いました。
ちょうど最近オタク文化のポストモダン化や創作に対するスタンスについて話していたところなので、会に参加したことはいい刺激になりました。岡田氏は私とはちょっと違う視点からアプローチしているようですし、私としても「おおプチクリ素晴らしい。これで私の研究課題はオールクリアだ」というわけにはいきませんが、一つの実践的な回答としてはかなり感心するところがあります*2。
隣人を参考にしつつ、私も思索を深めていきたいと思います。
