LM314V21

アニメや特撮やゲームやフィギュアの他、いしじまえいわの日記など関する気ままなブログです。

『伝説巨神イデオン 接触篇』『伝説巨神イデオン 発動篇』

 1クールを残して打ち切りとなったテレビ版の総集編である『接触篇』と、その真の続きである『発動篇』です。以前から観よう観ようと思って観ていなかった名作・イデオンをついに見ました。
 日本アニメ史に輝く名作とも言われる本作ですが(特に『発動篇』)、私の感想は…正直、やっぱりVガンダムの方が出来がいいな、という感じでした。まあVとイデオンの間には10年の歳月があるので、単に正当進化した感じではあります。富野監督、無駄に年をとってませんね。


 謎の巨人・イデオンとソロシップに乗ってバッフ・クランという宇宙人に追われまくるという基本的なストーリーはすごく面白かったです。それこそV以上でした。そのため『接触篇』は結構楽しめました。
 が、『発動篇』は富野監督いつもの決戦映画*1になっていて、スペースランナウェイ的面白さはやや減ってしまっているように思いました。その代わり、敵味方双方どんどん消耗していくギリギリ感はすごかったです。この作品を評価してる人はこういうところが面白かったのかな、と思いました。
 あと、キャラクターの立ち位置がすごくはっきりしていて見やすかったのは印象的でした。人物の数は多いのですが、このキャラはこういう人! というのが分かりやすかったのであまり混乱しませんでした。


 よくなかった点もいくつか挙げておきます。一つは、セリフによる説明が多かったこと。イデが何なのかとか、人物にしゃべらせなくてもいいようにしてほしかったです。また、いたずらにも思えるグロ表現はどうかと思いました。まあ、当時はアニメでもああいう表現ができる=アニメは子供以外でも楽しめると示す必要があったのかもしれませんが。
 宗教的なテーマ、グロの強調、過度なニヒリズム、子供=イノセント、善という価値観など、全体的に若さゆえの過ち的な要素が多すぎるのが私をその気にさせなかったのだと思います。10年後のVガンダムでは監督は大人らしい優しさを表現できているので、私はそっちの方が好きです。


 余談ですが、一緒に見ていた彼女が『発動篇』中盤辺りからずっとカントクくん*2のことを考えているらしいのが気になりました。というのも、ハイライトのシーンのたびに「パクリやろ」と呟くのです(もちろん富野監督にではなく、カントクくんにです)。庵野監督がイデオン大好きなのは間違いないですが、私は他にもイデオンに影響を受けたっぽいものをたくさん知りすぎて感覚が鈍っていたのかもしれません。
 確かにイデオンvsザンザ・ルブはまんまエヴァ弐号機vsエヴァ量産機でしたし、エンディングのそのまんまっぷりは閉口モノでした。さすが庵野、コピー世代と思いました。

*1:映画が始まってすぐに戦闘が始まり、その後最後までずっとバトりっぱなしの映画。『機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい・宇宙編』『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』など。

*2:新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明のこと。