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アニメや特撮やゲームやフィギュアの他、いしじまえいわの日記など関する気ままなブログです。

結局ロッテは日本企業なのか韓国企業なのか。

ハフィントンポスト「【ロッテお家騒動】「一族はなぜ日本語でしゃべるのか」 韓国で広がる批判」
http://www.huffingtonpost.jp/2015/08/03/lotte-japanese-korean_n_7929944.html


8月2日、SBSとのインタビューで、辛東柱(シン・ドンジュ、日本名:重光宏之)前日本ロッテ副会長のたどたどしい韓国語を聞いた韓国民は少なからず驚いた。当然、韓国語を流暢に話すと思っていた宏之氏の口から、不慣れな日本語風の韓国語が聞こえたからだ。


 上記のような記事を読んでいて思ったのが掲題の「結局ロッテって日本企業なのか韓国企業なのか」。
 実は高校の時の修学旅行先が韓国で(特に謝罪とかはさせられませんでした)、ロッテワールドなどにも行っていたので、ロッテが韓国と関わりの深い企業であることは知っていましたが、それが韓国の企業なのか日本の企業なのか、よく分からないままでした。せっかくなので、ここらでひとつその謎に終止符を打ちたいと思います。


 で、とりあえずwikipediaを読んでみました。


 (参考)wikipedia「ロッテ」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%86

株式会社ロッテ (LOTTE Co., Ltd.) は、東京都新宿区に本社を置く日本国内大手の菓子メーカーである。1948年(昭和23年)に韓国出身(1945年までは日本の領土)の在日韓国人一世である辛格浩(シン・キョクホ、日本名・重光武雄)が創業した。創業以来、世界各地にグループを展開しており、特に創業者の出身地である韓国においては積極的な投資を行い大規模な事業展開を行っている(詳細は後述)。


 で、このシン・キョクホ、またの名を重光武雄さんが何者なのかというと、以下の通り。


 (参考)wikipedia重光武雄
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8D%E5%85%89%E6%AD%A6%E9%9B%84

シン・キョクホ(しげみつ たけお)
辛 格浩(重光 武雄)
Shin kyukho
生誕 1922年10月4日(92歳)
日本の旗 日本統治下の慶尚南道蔚山
大韓民国の旗 現韓国蔚山広域市
国籍 大韓民国の旗 韓国[1]
職業 ロッテホールディングス会長
千葉ロッテマリーンズオーナー
ロッテ・ジャイアンツオーナー

辛 格浩(シン・キョクホ、またはシン・キョッコ、신격호、1922年10月4日 - )は、韓国出身の実業家である。韓国慶尚南道蔚山郡(現・蔚山広域市)出身の在日韓国人一世。ロッテグループ会長、日本プロ野球のチーム千葉ロッテマリーンズ大韓民国プロ野球のチームロッテ・ジャイアンツのオーナーを務める。韓国第5位のロッテグループ財閥の総帥でもある。通名は重光 武雄(しげみつ たけお)。


 というわけで、「在日韓国人の方が日本で作った企業」というのがwikipedia上での正解の模様です。それにしても御年92歳でご存命で現役か。すごいな。
 ただ、これは日本語のwikipediaでの表記に基づくもので、韓国ではまた違った見方がされているようです。


 (参考)韓国経済.com「【韓国経済】ロッテグループ、日本ロッテが事実上支配」
 http://kankoku-keizai.jp/blog-entry-28421.html

日本経済新聞は29日付紙面で、ロッテグループのオーナー辛一族の日本の通名を使い、「重光一族の乱」と表現した。日本ではロッテが辛一族の韓国企業ではなく、日本企業として受け止められている。辛東彬(シン・ドンビン)ロッテグループ会長は日本に家族と自宅を持ち、辛東主(シン・ドンジュ)元ロッテホールディングス副会長も日本で長期にわたり活動したため、「日本国籍ではないか」といううわさも立った。しかし、創業者の辛格浩(シン・ギョクホ)総括会長、辛東彬会長、辛東主元副会長という父子はいずれも韓国籍だ。

1922年生まれの辛格浩総括会長は18歳の時に日本に定着したが、韓国籍を守ってきた。日本で生まれた息子2人は一時韓国と日本の二重国籍だったが、現在はいずれも韓国籍だ。辛東彬会長は1996年に日本国籍を放棄した。辛東主元副会長もロッテ七星飲料などが韓国金融監督院に提出した株主構成に関する資料に韓国籍として記載されている。 


 「韓国人が作った企業なんだから韓国系企業」というのも、分からないではないですね。
 一方、同じ記事の中にこういう説明もあります。

 オーナー一族の国籍は韓国だが、ロッテグループの支配構造の頂点には日本に設立された企業がある。辛格浩総括会長は韓国政府が樹立される以前の1948年6月に日本にロッテグループの母体となる株式会社ロッテを設立した。韓国ロッテは65年に韓日が国交を正常化した直後の67年に資本金3000万ウォン(現在のレートで約320万円)で設立されたロッテ製菓がルーツだ。


 ムムッ。韓国の建国は1948年8月なので、微妙にロッテグループの方が先に生まれており、グループ設立時に韓国という国自体がなかったのでした。だったらそれは日本の企業としか言いようがないのでは…?


 (参考)Yahoo!ニュース「ロッテお家騒動の次男が韓国入り、国民に謝罪し「ロッテは韓国企業」と明言=韓国ネット「韓国語が下手過ぎる」「韓国の仮面をかぶった日本企業」」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150803-00000059-rcdc-cn

2015年8月3日、グループの経営権をめぐる泥沼の「お家騒動」の中心人物の一人である日本ロッテホールディングス(HD)副会長の辛東彬(シン・ドンビン)氏が韓国に帰国、空港で待ち受けた取材陣の質問に答えた。韓国・YTNテレビなどが伝えた。


東彬氏は「韓国国民の皆さんに申し訳なく思っている」とし、「私は辛総括会長(東彬氏の父親)のそばで役職員らとともに、国民とともに、ロッテを育てて来た」と述べた。また、「早急に(経営権争いを)解決する。(経営を)正常化し、発展させることが私の任務だ」と語った。

さらに、「ロッテは日本企業か?」との質問に対しては、「韓国企業だ」と明言、韓国での売り上げがグループの95%を占めると説明した。確執が伝えられる兄・東主(ドンジュ)氏は、先日のテレビインタビューに日本語で答えたことで韓国で反感を買ったが、東彬氏は終始韓国語で話した。


 副会長的には韓国企業だそうです。韓国を代表する企業なので当然と言えば当然ですが、売上の95%が韓国というのもすごいですね。日本でもロッテはそれなりに大きな企業というイメージですが、その20倍とは。
 ただ、これも個人的には、引用元の中のコメントにもある通り、

「重光昭夫(東彬氏の日本名)さん、どこで稼いでるかじゃなくて、どこに収益を還元して、どこに税金を払っているかが重要だと思いますけど」


 だと思います。
 そこで、「ロッテ 納税」などのワードでいろいろサイトを見てみました。


 (参考)中央日報「辛格浩ロッテ会長、文学徒から半世紀で40兆ウォンのグループに育成(2)」
 http://japanese.joins.com/article/109/115109.html?sectcode=320&servcode=300

67年に辛会長は韓国にロッテ製菓を設立し、母国への投資を始めた。 ロッテグループの関係者は「この時から日本で稼いだ金を韓国に投資し始めたが、韓国で稼いだ金を日本に持って行くことは一度もなかった」と述べた。


 (参考)ガジェット通信「日本に税金を納めていない企業はアマゾンだけではない なんと有名なあの企業も」
 http://getnews.jp/archives/537201

あのロッテ韓国が経営しているロッテホテルを例に挙げる。ロッテホテルは日本に事務所があるのだが、そこの社員は全てが個人事業主となっている。つまり3月になると社員は全員各々確定申告をしなければならない。では給料はどうなるのか? 実は「給料」として支払われるのでなく名目は「交際費」として給付される。いわゆるキャバクラで飲み食いするのと同じ感覚でロッテホテル日本事務所の個人事業主は交際費を受け取っている。そのためロッテホテルは日本に税金を一切納めていないのである。全くの違法性はなく、やり方が実に上手い。


当然日本のロッテは国内企業なので税金を納めている。


 う、うーん… 日本に納税しようとしない企業を日本企業と言えるのだろうか…
 でもそれを言えば、節税対策なんかどの国のどの企業でもしているわけだし…


 今回いろいろ見てみて思ったのは、企業の所属をどの観点で見るか、という価値観のことです。そもそも、ロッテグループ設立時に韓国がなかったにせよ、李氏朝鮮から続くKorean(朝鮮人)はいたわけで、そういう意味ではロッテはKoreanが作ったKorean企業というのは間違っていないと思うのです。そう考えると、日本人は国を主体に、韓国人は民族を主体に物事を考える傾向があるのかもしれません。


 というわけで、いしじまえいわ的には「ロッテグループは日本の企業、経営者は韓国人、日本への納税はあんまりしていない」という認識で行きたいと思います。


 国税庁のみなさん、なんとかもっとがんばって20倍の税金を回収してください(オチ)。


国税局資料調査課

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徴税権力―国税庁の研究 (文春文庫)

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グリコ・森永事件「最終報告」 真犯人 (朝日文庫)

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 今回いろいろ調べていく中で、グリコ森永事件で大手菓子メーカーの中なぜかロッテが標的から外されていたとかこの事件とロッテの躍進時期がかぶるとかそういう話にもぶちあたったんだけど、それはまた別の話ということにします。