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アニメや特撮やゲームやフィギュアの他、いしじまえいわの日記など関する気ままなブログです。

アニメ「モンスト」はアニメ業界の黒船になるか?

ミクシィ<2121>は、『モンスターストライク』のオリジナルアニメを、2015年10月10日よりYouTubeで配信開始すると発表した。日本語のほか、英語、中国語(繁体字簡体字)、韓国語をはじめ多言語に対応し、世界同時配信するとのこと。

アニメ版『モンスト』は、爽快感あふれるバトルシーンとユーモアたっぷり、バラエティ感あふれるストーリーで贈る、誰もが楽しめて胸が熱くなる王道アニメ。スマートフォンやPC、タブレットで視聴することを想定し、1話あたりの長さや、短い時間で物語に入り込めるテンポ感、飽きさせない展開といった工夫を盛り込み、YouTubeに最適化した新たなアニメの形を提供。

アニメ制作スタッフには、監督に新進気鋭の若手クリエイター・市川量也氏、ストーリー・プロジェクト構成にイシイジロウ氏(「428 〜封鎖された渋谷で〜」総監督など)、シリーズ構成・脚本に加藤陽一氏(「妖怪ウォッチ」「アイカツ!」シリーズ構成・脚本など)、キャラクターデザイン原案に岩元辰郎氏(「逆転裁判」キャラクターデザインなど)ら、大ヒット作を手がけたスタッフを起用。また、声優は、主人公・焔レン役に小林裕介氏(「アルスラーン戦記」主人公・アルスラーン役など)、マスコットキャラクターであるオラゴン役に福島潤氏(「弱虫ペダル鳴子章吉役など)ら、期待のキャストを起用。
http://gamebiz.jp/?p=146877

 これまでもWebアニメ作品は数多くありましたが、「TVではなく」Webメディア(今回はYouTube)を「選ぶ」というスタンスの作品はこれまであまりなかったように思います。しかもそれを既存のTV局やアニメ制作会社ではなく、mixiというアニメ業界とは他業種の、巨大な資本をもつ企業が主導するというところに、黒船的な新しい可能性を感じます。


 たとえば「涼宮ハルヒちゃんの憂鬱」や「キュートランスフォーマー 帰ってきたコンボイの謎」などはWebアニメとしては成功の部類だと思いますし個人的にも好きな作品ですが、そのクオリティは「まあWebアニメだしね」というレベルであり、送り手側にも視聴者側にも「WebアニメはTVシリーズに比べてクオリティは低いもの」という、一種の暗黙の了解が成立していました(特に後者はそのお約束そのものがネタになってもいる)。
 これらの作品はあくまでTVシリーズやおもちゃありき・その展開の一つとして成立しており、作品世界の幅を広げる目的で(TVやおもちゃではない)Webメディアを選んでいる、と言えるかと思います。特にハルヒはTVシリーズが(偶発的に)YouTubeによって世界的展開をしたため、その追い風に乗ることを期待して「ハルヒちゃん」は意図的にYouTubeを選んだのだと思います。


 一方、2014年放映のTVアニメ「神撃のバハムート GENESIS」は、ソーシャルゲーム会社である株式会社Cygames(サイゲームス)によるTVアニメであり、作品クオリティはTVシリーズでありながら劇場用作品レベルのものでした。この作品は、アニメ業界外の、(有体に言うと)資本のある企業がアニメを制作すれば、既存のメディア・ビジネススキームの中でも、クオリティの高い作品が作れるという証左と言えるかと思います*1

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 今回の「モンスト」のアニメは上記二つの事例のいいとこどりであり、スタッフや制作スタジオ、下記PVを見る限り、Flashアニメクオリティではなく「神撃のバハムート GENESIS」寄りの作品を、Webメディアで、しかも既存のTVアニメのお作法にとらわれず、Webで視聴しやすい尺(7分)や物語展開で放送する、というスタイルです。ソーシャルゲームを軸とした展開を考えたとき、その展開先として妥当なのはTVではなくWebメディアだし、その場合TVアニメという「OP+本編21分+ED+CM、合計30分」というフォーマットに則ることがそれほどメリットではない、またはデメリットであると考えたのでしょう(その判断は妥当だと思います)。
 TVというメディアそのものが死に体になりつつある今、アニメも「TVアニメ」というフォーマットからの変化・進化してもいい頃合かと思いますが、「モンスト」がTVアニメに代わる新しいアニメのジャンルの形を作ることになるのか、10月10日の公開を楽しみに待とうと思います。


 (参考)Social Game Info「【発表会】アニメ『モンスターストライク』は何故「YouTube配信で1話が7分」なのか? 豪華制作陣が語るアニメ事業の新たな可能性」
  http://gamebiz.jp/?p=146876


 アニメ モンスターストライク PV

*1:ここでは、クオリティが高いことがアニメとしてのヒットとイコールではない、という本質的な問題はひとまず置いておくことにします。