涼宮ハルヒシリーズ、Kindle版で読み直しました。面白かったです。
Kindle Fire HD 16GB タブレット(2012年モデル)
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Kindle Fire HD を買ったのでせっかくだから何か電子書籍を購入しようと思いたち、ちょうど表紙にも登場しているハルヒシリーズにしようと「涼宮ハルヒの憂鬱」Kindle版をダウンロードしたのが2ヶ月ほど前のこと。ラインナップされているシリーズ作品を次々ダウンロードしては通勤時間や寝る前などに読みつづけ、昨晩最新刊の「涼宮ハルヒの驚愕」を読み終えました。
いやあ、面白かったです。ここ2ヶ月ほどほぼずっとKindleを片手に持ち歩いているのですが、やっぱりいいソフトが有ってこそいいハードと成りうるですね。ハルヒのKindle版がなかったら、たぶん今頃kindleはホコリをかぶっていたと思います。
ハルヒシリーズの1巻1巻についてきちんとブログに書いておきたいと思うのですが、せっかくなので今日一気に一言ずつメモしておこうと思います。
それでは以下、涼宮ハルヒ、レディーゴー。
涼宮ハルヒの憂鬱<「涼宮ハルヒ」シリーズ> (角川スニーカー文庫)
- 作者: 谷川流
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簡単に言うと、厨二病を中学校で卒業し達観したつもりの男子高校生の少年・通称キョンが、厨二病真っ盛りの夢見がち少女・涼宮ハルヒと出会うことにより「世界はつまらないものなんだから諦めよう」ではなく「この世界は面白いんだ!」と世の中の捉え方が変わる、というお話。
詳しく説明するのは別の機会に譲りたいけど、ライトノベルやアニメなどエンターテインメント作品にありがちな「視聴者に夢を見させてハイ完了」ではなく、主人公とヒロインと読者を「魅力的なこの世界」に引き戻す構成になっているのがこの作品を傑作たらしめているポイントだと思います。正しくSF小説的ですね(あ、この作品はSF小説です。念のため)。
文章も非常に読みやすくウイットに富んでいて面白いので、未読の方はまずはこの「憂鬱」をぜひ読んでください。
涼宮ハルヒの溜息<「涼宮ハルヒ」シリーズ> (角川スニーカー文庫)
- 作者: 谷川流
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
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時系列で言うと「憂鬱」から4ヶ月ほど経った頃の話なのですが、別の巻ではその間にあったいろんな出来事やそこでの登場人物同士の関係の進展が描かれているので、読む順番を間違えたりアニメから入ったりすると「え、なんでこいつらの関係性がこんなに逆行してるの?」とも感じられてしまいます。そういった意味でも、あと話の濃度としても、ちょっと難ありの巻かもしれません。
涼宮ハルヒの退屈<「涼宮ハルヒ」シリーズ> (角川スニーカー文庫)
- 作者: 谷川流
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「憂鬱」がスニーカー大賞を受賞してから文庫本として刊行される前にスニーカー誌に掲載され、初めて一般の人の目に触れたのが「退屈」(野球をする話)だったというのが、登場人物であるハルヒに負けず劣らずなんとも大胆ですね。
涼宮ハルヒの消失<「涼宮ハルヒ」シリーズ> (角川スニーカー文庫)
- 作者: 谷川流
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シリーズ全体の中の流れで言えば、斜に構えていた主人公・キョンが、自分のスタンスについて自覚的・肯定的になるステップを描いたもの。これもメタ的に読者に投じられたメッセージであると思えるのですが、ここまでのシリーズで築いてきたキャラクターの魅力とストーリーの面白さが存分に発揮されすぎていて、肝心のテーマが霞んでしまっているように感じられるのが個人的には評価が難しい作品です。いや、面白いからいいといえばいいのですが…
「とにかくキャラ萌え!」「長門は俺の嫁!」という人には間違いなく、そうでない人にも安心してオススメできる一遍です。
涼宮ハルヒの暴走<「涼宮ハルヒ」シリーズ> (角川スニーカー文庫)
- 作者: 谷川流
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2012/09/01
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「射手座の日」はどちらかというとキャラクターが主軸の話で、「雪山症候群」はこの後最新刊の「驚愕」にまでつながる一恋の話のきっかけであり、「消失」でキョンが自分の立場を自覚するまでを第1部とするなれば、第2部のプロローグと捉えられる1話です。
特にエンドレスエイトなんかはSF短編として面白いので、初見の人でも楽しめるんじゃないでしょうか。
私が最初に読んだのもこの「暴走」であり記憶に残ったのがエンドレスエイトだったので、個人的には思い入れの強い1冊です。
涼宮ハルヒの動揺<「涼宮ハルヒ」シリーズ> (角川スニーカー文庫)
- 作者: 谷川流
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とはいえアニメ化されているのが2話、そうでないのが3話なので、アニメで描かれていない話を読んでみたい! という原作デビューの方にはオススメしやすい巻です。表紙もちょうどハルヒだし。
涼宮ハルヒの陰謀<「涼宮ハルヒ」シリーズ> (角川スニーカー文庫)
- 作者: 谷川流
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一応1冊で一応完結している話ではあるもののその後の「分裂」「驚愕」につながる話なので読み終わった感があまりしないので、「消失」に比べると人気がイマイチなのは仕方ないかもしれません。テーマ的にも、取り立ててメッセージ性の強い巻ではないようだし…
ただ、冒頭シーンが「消失」からダイレクトに繋がる構成になっているので、アニメ版の「消失」が面白かった人が、原作でしか描かれていない辺りの話に入るきっかけにはいい巻かも知れません。
涼宮ハルヒの憤慨<「涼宮ハルヒ」シリーズ> (角川スニーカー文庫)
- 作者: 谷川流
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「陰謀」「分裂」「驚愕」とは直接のつながりが薄い話で、印象としては「退屈」「暴走」あたりの短編に似ています。アニメ版の「憂鬱」「溜息」「消失」ではなく、1話完結の話のほうが面白かった人には読みやすいでしょう。
涼宮ハルヒの分裂<「涼宮ハルヒ」シリーズ> (角川スニーカー文庫)
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涼宮ハルヒの驚愕(前)<「涼宮ハルヒ」シリーズ> (角川スニーカー文庫)
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涼宮ハルヒの驚愕(後)<「涼宮ハルヒ」シリーズ> (角川スニーカー文庫)
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高校2年生に上がった主人公たちと「暴走」に収録の「雪山症候群」から小出しになっていた新キャラクターたちが一堂に会するシリーズです。「分裂」の後「驚愕」が刊行されるまでに5年経っており、実感としても3冊という冊数としてもボリュームがあります。
これまでのシリーズの人物相関図は「絶大なパワーを持つ涼宮ハルヒとキョンと他3人」となっており一見ハルヒ中心かのような形になっていたのに対し(実際には「憂鬱」の時から物語の中央にいるのは常にキョンなんだけど)、今回佐々木と他3人が登場することによって、主人公であるところのキョンが物語世界の中心であることをより明確に表した話になっています。そのためテーマ的にもキョン=読者に対するメッセージ色の強い話のようです(まだ読み込めていないので把握しかねているのですが…)。
「消失」がそうであったように、ここで一旦一区切り、第2部完! という感じの話ではあるのですが、エピローグで思いっきり伏線の確認をしたり新しい伏線をはったりしているので、話としては続きそうな感じになっています。
…という感じで一気読みしてしまいました。正確には文庫本未掲載の「涼宮ハルヒ劇場」や初回特典の「Rainy Day」などの短編もあるのですが、おおよそ上の8冊を読めば今のところ涼宮ハルヒシリーズを完封したといっていいでしょう。それらがほぼ全てKindle上にアップされ、家に居ながらにして買ってすぐに読むことができるなんて、なんていい時代になったんでしょう。
ざっと印象だけさらう感じのコメントになってしまいましたが、1冊1冊に魅力的なポイントや作者のメッセージが散見されるので、できれば個別に感想文を書いて行きたいと思います。ボリュームがあるからかなりゆっくりになると思うけど…
今回のブログを読んで、少しでも涼宮ハルヒシリーズに関心を持たれた方は、ぜひ手にとって読んでみてください。
上にも書きましたが、「驚愕」のエピローグがいかにもまだまだ続きますの体になっているので、それを真に受けて、いしじまえいわは引き続き涼宮ハルヒシリーズを応援して行きたいと思っています。
原作者の谷川さん、がんばって続きの話を考えてください! 応援しています!