読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

LM314V21

アニメや特撮やゲームやフィギュアの他、いしじまえいわの日記など関する気ままなブログです。

日本経済新聞「アニメパワーを活用する大手企業 2012年のアニメ界を振り返る(2) 」いしじまえいわメモ。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK22017_S2A221C1000000/


 かなり興味深い記事だったので、引用しながらメモします。

■アニメが求められる理由


 もっとも、アニメ自体の市場や産業規模は決して大きくはない。2011年のアニメ業界市場(アニメ制作企業の売り上げをベース)は、前年比3%増の1581億円(日本動画協会調べ)。最大手の東映アニメーションの2012年度決算売り上げは330億円。例えば国内ユニクロファーストリテイリングの国内ユニクロ事業)が約6000億円ということを考えれば、おのずとその規模が分かるだろう。


 一方、アニメ産業市場(ユーザーが支払った金額をベース)の2011年の売り上げは1兆3393億円。両者には10倍近い差がある。つまり、業界自体の規模は小さいが、流通時の付加価値、経済波及効果は絶大。アニメは、関わる企業に新たな利益や価値を生む一種の「磁力」として機能しているのだと言える。


 これだと、たかだたユニクロの倍か…ってなるな。

■課題は「海外」と「人材育成」


 こうしたアニメの長所──アニメを介することで経済を活性化させ、国内産業の大きな武器になりうる点を、国は「成長戦略の一つ」と捉え、その支援を模索している。国内向けには人材育成や地方産業のバックアップを、海外に向けては「海賊版や無断アップロードの対策に乗り出すと共に、アニメコンテンツを海外で展開するためのスキーム作りを進めたい」(経済産業省メディア・コンテンツ課仲舎菜子課長補佐)とする。

 だが、実際の海外売り上げを見てみると、2005年には313億円だったアニメ業界海外推計市場は、2009年には153億円まで半減。2011年は177億円まで回復したが、2008年以降の円高も影響もあって、依然停滞気味だ(日本動画協会調べ)。バンダイビジュアルの川城和実社長も「アメリカはコスプレ中心、ヨーロッパは日本の感覚に近いが、それでもアニメが支持されている理由が決定的に違う」と、海外ではアニメがビジネスとして成立しづらいことを認めている。


 何による売上を海外でのアニメによる売上としているのかを調べたい所存。放映権料だけだとこんなもんだろうし、上記の通りグッズが売れないとそもそも国内ですら大した規模ではないことは上記の通り。グッズ展開をちゃんと仕掛けているのかを知りたい。

 もう1つの課題とされるのが、「人材育成」だ。動画協会に登録があるだけで60社、個人ベースも含め、アニメの制作会社は数百にも及ぶといわれ、そのほとんどが零細企業。制作費カットのため原画と原画をつなぐ動画部分を韓国や中国へ下請けに出す流れもあり、経験を積めないケースも少なくないといわれている。


 そこで文化庁では2010年から、若手アニメーターの育成プロジェクト「アニメミライ」を推進。国内のアニメ制作会社から若手育成を条件にオリジナルの企画を公募。選ばれた会社は3800万円を無償提供され、約30分の短編アニメを制作する。完成した作品は、シネコンやテレビ各局で上映・放送。2013年には「ストライクウイッチーズ」などを制作したゴンゾ(GONZO)、2011年に設立されたトリガー、「好きっていいなよ。」が放送中のZEXCS、そして劇場版「HUNTER×HUNTER」が公開中(2013年1月12日から)の老舗マッドハウスの参加が決定している。


 技術を育んで作品を作らせても、作品が残るだけで労働条件や待遇が悪ければクリエイターが根付かないだろう。このプロジェクトに参加したクリエイターたちの給料が上がったのか、ポジションが上がったのかを見ていく必要がある。
 2、3名個別に調べてみたところ、元々そこそこのポジションの人がそのまま業界にいるケースと、アニメミライのプロジェクト以外で名前を見かけないケースがある模様。とはいえ、もうちょっとちゃんと精査したい。

■V字回復した希有な産業


 アニメの年間放送タイトルは、2006年の年間279本(うち新作195本)という空前のピークを記録して以降、右肩下がりに転じた。しかし、2010年に200本(うち新作139本)と底を打つと、2011年には220本(うち新作164本)とV字回復をみせている(図1参照)。増田氏は「一度下方に転じた産業が、これほどの短期間で復活した例は、日本においてはこれまでなかった。それだけ、アニメというコンテンツがしっかり根付いた証拠」と考える。


 「一時期、“アニメはもうかる”と考えたファンドなどの出資・参入によって作品数が大幅に増加。クオリティーにバラツキが出始め、1作当たりの売れ行きが低下してしまいました。その影響で制作数が減り、売り上げも下がってしまった。作品数のピークは2006年で、当時はただのブームでしたが、この回復はその後いい作品を作り続けて認められた結果だと思います」(増田氏)


 作品数の増減より、1作品あたりの売上が上がったか下がったかのほうが問題。作品数が減ってその分1作品毎のクオリティが上がり売上が増えて、結果現場に落ちる金が増えるのであれば、むしろ作品数は減っても問題ない。
 というか、売り切り型のしょうもない作品が増えるよりは、長期にわたって楽しめる手の込んだ作品が増えたほうが嬉しいので、個人的には本数はもっと減らして注力してほしい。

 現在のクリエイターの強さは、直近のヒットが証明している。従来アニメビジネスは、キャラクターの2次利用など商品化ありきだったり、放送中心のものが多数派だったりした。しかし、「我々が手がけているのは、パッケージ主導のビジネス。作品そのものを買っていただく、そのために、自分が面白いと信じるものを作る。そういう考え方です」。取材時に強い意志を感じさせた岩上プロデューサー率いる「まどか☆マギカ」劇場版の後編は、上映規模が300〜400スクリーンのテレビ局映画や洋画大作を退け、堂々の1位を獲得。


 パッケージ主導のビジネスはかなり厳しいものがあるように思うので首肯しかねるけど、まどマギはちゃんと結果出してるからこれはこれでいいのかも。というか、単に作品自体が面白くないとね! という話であれば、もちろん賛成。

 元は一部のファンのもので、“好き”だから「見る」「買う」「支える」といったビジネスが好循環する基盤がしっかりあるアニメ。


 え、そういう評価なのか? まあ、他のジャンルや産業に比べれば、という話だと思うけど、まだまだ不十分だと思うぞ。DVDやBlu-ray、高くてなかなか買えないぞ。

 そして、「アニメパワー」に気づくことができた企業は、どんどん活用していく。そうすれば、制作者にお金が入り、さらなる好スパイラルが生まれる。


 制作下請まで含めて、そういう収益構造になっていないのが大問題。この通りだったら上述のクリエイターや技術の問題なんかそもそもねえよって話。

 2012年11月17日には、大きなムーブメントとなっている「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」が公開された。その後も映画・テレビとも強力な作品が続く。日本のアニメの力がもたらす未来は、明るいはずだ。


連載終わり)
日経エンタテインメント! 平島綾子、ライター 山内涼子)
日経エンタテインメント! 2012年12月号の記事を基に再構成]


 なんか投げっぱなしで終わった。
 『日経エンタテインメント!』の平島綾子副編集長としては、アニメビジネスに関心はあっても、その基盤であるアニメーターの労働環境問題までは関心が向かわなかった様子。それが問題の根幹なので、ぜひそこまで踏み込んでもらいたかった。
 情報誌で扱う記事には適さないことはよく分かるんだけどね…むしろ少しでも記事内で触れてくれていることに誠意を見出すべきだよね…


 よくまとまった記事ではあったし、本誌も買っておくか(←ツンデレ)。