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アニメや特撮やゲームやフィギュアの他、いしじまえいわの日記など関する気ままなブログです。

ガジェット通信「フリーライター・赤木智弘「24時間テレビをノーギャラにしろとか言ってる奴がいる」と発言 視聴者「番組そのものが必要無い」」に見る、いろんな人の無知。

http://getnews.jp/archives/245615

赤木智弘 @T_akagi
24時間テレビをノーギャラにしろとか言っている奴がいるが、 そうなったらテレビに映りたいだけの貧乏芸人しか集まらんぞ。そんな24時間テレビ、誰が見るんだ?
https://twitter.com/T_akagi/status/239219250059960323


 という発言と、それにまつわるあれそれ。


 どういう人なんだろうと思い、この方の本件に関連するつぶやきも見てみました。

赤木智弘 ‏@T_akagi
外国人のどこかの偉いアーティストがノーギャラでなにかをやることと、芸能人にノーギャラを強制しようとすることの違いも分からない奴がいるらしい。つまり、問題の離陸地点がわかっていない。
https://twitter.com/T_akagi/status/239689933718188033

赤木智弘 ‏@T_akagi
@airannad 離陸地点は「24時間テレビに芸能人はノーギャラで出るべき」という批判が出ていることです。どうしてそんな批判が出るのでしょうか?私は不思議です。
https://twitter.com/T_akagi/status/239700309365100544

赤木智弘 ‏@T_akagi
「チャリティという言葉の意味」って、「タダ働き」だっけ? 違うよね。
https://twitter.com/T_akagi/status/239704614994325504


 ここまで読んでなんとなく分かったのですが、氏が言いたいのは「チャリティの精神と、それを番組にすることは別じゃね?」ということであり「チャリティの精神は有償の活動でも実践できるんじゃね?」ということかと思いました。


 まず思ったのは、報道番組だろうがドキュメンタリーだろうが、TV番組というもの自体がなんであれある種の「作り話」「創作」であるという事実認識を赤木氏が持っていて、このトピックに反応する人々の方にそういった認識がない、というギャップがある気がします。
 サッカー特番が必ずしも中継でないといけないということはないし、宗教に関する報道が布教を促す内容でなくても構いません。もっと言えば、ニュースであれドキュメンタリーであれ、カメラを通した時点で幾ばくかの恣意性が含まれるのは避けられない(映像には、アングル一つで何がしかの意味が加わってしまう)ので、映像は例外なく情報発信者の伝えたいメッセージに沿って創作されたものと考えるのが妥当です。
 であれば、チャリティー番組にチャリティー精神は不可欠ではないし、チャリティー精神があったにせよ、無償活動でしかそれを表現できないわけでもないのです。そしてそれは、映像制作という観点から言えば全く間違っていません。


 では、何故そういったギャップが生じてしまうのかというと、ひとえにTV番組に説得力がなかったからという理由一点だと思います。


 「恵まれない人に自分のお金を差し出せ」というメッセージを、おそろいの貧相なTシャツを着た人たちが、あたかも「善意で、無償でやってます」的な演出で発信しているわけです。彼らがお金をもらっているとすれば、TV番組として矛盾していなくても誰でも「おかしいな」と思います。
 上記のような番組の原則は発信側からすれば常識であっても視聴者から見れば関係ない話であり*1、要は誤魔化しきるだけの圧倒的な説得力が、件のチャリティー番組になかったのが一番の問題です。
 氏の発言を借りれば、「24時間テレビに芸能人はノーギャラで出るべき」という批判が出ているというのが問題の離陸地点であるとするならば、着陸地点は「番組として説得力がないせい」というところだと思います。
 別に芸人が無償で活動すればチャリティー番組になるわけではないから、しっかりギャラをもらうのは本来問題ではないけど、それにしても番組作りが下手すぎるのです。


 それに加えて、氏の「テレビに映りたいだけの貧乏芸人しか集まらんぞ。そんな24時間テレビ、誰が見るんだ?」発言に滲み出る「=有名な芸人が出ていれば上手い番組作りができるだろう」という価値観が、更に問題の着陸地点への道を遠ざけています。
 芸人やタレントを、もちろん有償で起用したTV番組の視聴率が留まることなく低下し続け人の耳目や関心から離れていく一方、ニコニコ動画などでは無名の一般人がアップロードした無償の動画がものすごい再生数を稼ぐようになっているのですから、貧乏芸人が集まってチャリティー番組が成立しないというのであれば、それは単に赤木氏や番組関係者の映像番組というものに対するセンスが古くて時代にマッチしていないということに他ならないのです。


 赤木氏は自分がフリーライターとしてTV番組製作サイドの常識を持ち合わせており、それを持たざる批判者に対して言及しながら

赤木智弘 ‏@T_akagi
「純粋まっすぐ君」という言葉を思い出した。
https://twitter.com/T_akagi/status/239728841885626368


 などと揶揄する一方、自分が時代や一般の感覚からズレてしまっている無知・無能っぷりが、本トピックのハイライトだった、というわけです。


 個人的には、ビートたけし明石家さんまあたりが「○○局の放送枠を1時間買い取った」という体の番組で(それは仕込みでも事実でもいい)、オシャレな部屋でスーツ姿の二人が、皮のソファに腰掛けながら「俺は1000万募金したよ」「でも俺らが二人で2000万寄付するより、300万人が10円ずつ募金した方が高いから、みんなよろしく頼むよ」「で、募金するならここに入れると確実にいいことに使ってくれるからオススメだよ」みたいに語ってくれる番組だったら賛成です。参考にしたいから見てみたいし、内容が良ければもしかしたら募金しようと思うかもしれません。


 とにかく、あの貧相な黄色いシャツをわざわざ用意して清貧を装っているのを見るのが嫌なのです。それで騙されるほど馬鹿じゃないっつーの。せっかくなら、チャリティーもかっこよくやってほしい。みんなが判例として海外の著名人を挙げていたのは、彼らがチャリティーやりながらもオシャレでかっこいいからだと思う。


 これだよ…なんかがっくりするんだよなこれ見ると… 氷室氏はコンサートを通じて7億円くらいを寄付したそうです。かっけえな。流石ヒムロックだな。

*1:メディアリテラシーとして本来成人であればそういった常識は持っているのが望ましくはあるのですが…