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アニメや特撮やゲームやフィギュアの他、いしじまえいわの日記など関する気ままなブログです。

痛いニュース「Winny開発者、無罪確定」を読んで所感。

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1685272.html

 ファイル交換ソフトウィニー」を開発、公開し、違法コピーを容易にしたとして、著作権法違反ほう助罪に問われた元東大助手金子勇被告(41)の上告審で、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は19日付で、「多数の者が著作権侵害に利用する可能性が高いと認識していたとはいえない」として、検察側上告を棄却する決定をした。一審の有罪判決を破棄し、ほう助罪成立を認めず逆転無罪とした二審判決が確定する。
 一審京都地裁は、「著作権侵害をしても安全なソフトとして広く利用されていることを知りながら、不特定多数に入手可能にした」として、罰金刑を言い渡した。一方、二審大阪高裁は、「悪用される可能性を認識していたが、侵害のために使うよう勧めて提供はしていない」と無罪を言い渡していた。 

(ニュース元 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111220-00000115-jij-soci より。)


 逮捕から7年か。長かった。
 当時はファイル交換ソフトが隆盛を極めていたし、それによる著作権侵害も甚だしかった(というよりは目立った)ので、「見せしめ」としての逮捕だったのも、コンテンツ業界の要請として止むなしだったのかなあ、と正直思う。
 でもそれは本当に単なる「見せしめ」でしかなくて、法的な妥当性も個人としての47氏に対する人権的配慮もあったもんじゃなかった、とも思う。世論、というよりは、コンテンツ業界の要請に応え、司法が納得を得るためだけの逮捕だった。それに加えて、氏が逮捕されて罪に問われたことによって、最終的に誰か得をしたり損をしなかったりしたのだろうか? と思うと、当のコンテンツ業界すら得るものはなかったんじゃないかという気がしてならない。
 7年間で技術もコンテンツ業界の様相も様変わりしてしまった。当時CCCD発売等、(悪い意味で)著作権意識の高かったCD業界は発信側も店舗側も凋落してしまい、TV業界や書籍・雑誌業界は今もその後を追っている。7年前、やんややんやと「見せしめ」を要求し溜飲を下げるのではなく、P2Pの在り方について真剣に議論し前向きな活路を見出していれば、7年後の現在はみんなもっと楽しくコンテンツを享受し、お金の巡りもよくなってみんなハッピーになっていたのでは? と思う。

 
 過ぎてしまったことを悔やんでも仕方ないので、せめて自分は技術に対して前向きであるよう努めたい。


 47氏におかれましては、本当にお疲れさまでした。長かったとはいえ、妥当な判決が出て*1本当に良かった。

*1:とはいえ最高裁の判決文を読むと「結局最後まで論点がずれてたんじゃないか?」という気はしてくる。