LM314V21

アニメや特撮やゲームやフィギュアの他、いしじまえいわの日記など関する気ままなブログです。

「月刊アスキー(ascii):年間1000億円をたたき出すガンダムという巨大ビジネス」

http://nomano.shiwaza.com/tnoma/blog/archives/006465.html
 [の] のまのしわざさまより。


>分析によると「ハリウッド型モデル」で、スポンサーは作品に口を出さず、
>商品と作品は切り離すことでクリエイター(アニメのスタッフ)は作品性を追求しつつ、
>スポンサー(バンダイ)は商品開発を平行して行うことで
>ビジネス規模を拡大しているというもの。

 
 確かにこれはひどい。富野監督が読んだらリアルに憤死してしまうかも。


 スポンサーがロボット出せと言うからロボットものにしたし、カッコイイロボットにしろというから主役をガンキャノンからガンダムにしたし、子供にうける色にしろと言われたからガンダムの色も真っ白からトリコロールにしたし…その他、シャアを殺せと言われたから途中退場させたり夏だから怪獣出せと言われたから水陸両用モビルスーツを出したり、とにかくファーストガンダムはスポンサーの要望に対して、どれだけ誤魔化して現場が作りたいものを作るか、という技のオンパレードみたいな作品ですよ。上のブログの方が書いているように、その後の多くのガンダム作品もほぼ同様です。
 もちろん直接スポンサーが口出しせず、制作者側が空気を読んで捻じ曲げた部分もあるけど、とにかくロボットアニメというジャンル自体が(特にガンダム以降の作品)、主役メカの模型か玩具を売るための「30分のコマーシャル番組」として成立していたということは歴然とした事実で、ロボットアニメがそれから解放されていくのは「新世紀エヴァンゲリオン」を経て2000年代になった後の話です。
 この記事を書いた記者は、ひょっとしてガンダムを最新作のガンダムAGEやダブルオーくらいしか知らずに書いてしまったのでは? と思わされました。


 ちなみに引用部分の「コンテンツ長寿化のカギ」については、私は①クリエイターとスポンサーとの間に高度な駆け引きがあったこと②そうして生まれたファーストガンダムの要素を拡張していくことで、別の物語でありながら一種の一貫性のある「ガンダムの世界観」を形成できたこと、の二点だ、と結論しています。実は卒論がまさにこの「ガンダムのヒット要因分析」というテーマだったのでした。