LM314V21

アニメや特撮やゲームやフィギュアの他、いしじまえいわの日記など関する気ままなブログです。

池袋とらのあな前で刺傷事件に出くわしました。

 本日、2連休の2日目。池袋のとらのあなでシュタインンズ・ゲートグッズを物色をした後、店を出ようとすると…外国人同士らしき二人組が「オーマイガー! オーマイガー!」って言いあいながら喧嘩をしていた。追いつめている方の片手には少し厚手のナイフが握られていた。
 私がそれに気付いた時には人だかりも結構できていた。みんな「うわあ…」といった感じで見守っている。私は「二人を止めようか?」とも思ったけど、第一危険すぎるし、無関係な周りの人がまったく避難しないのも気になった。
 そこで私はとらのあなの中に戻り、レジの男性に「表でナイフを持った男性が暴れています。警察を呼んでください」とお伝えした。のだけど…あまりピンとこなかったらしく、すぐに電話を手にとってくれなかった。店から出て表を確認するのかと思いきや、店の奥に行って他の店員さんに何かを確認しているようだった。
 私は「あーもう」などと思いながら表に出た。二人は「オーマイガー!」と言いながらまだやりあっていて、追いつめられた方の右の二の腕からは血が流れていた。追いつめられた方が足元のコーンを武器にして応戦しだしたので「これはまずい、激化したらもっと大変なことになる」と思った。周りの人はどんどん増えていたけど、まだ写真を撮ったりしているようだった。
 店員さんも電話をしているような様子がなかったので、仕方なく自分の携帯から110番した。
「はい。○○警察署です」女性の方だった。
「池袋サンシャイン60通の脇のとらのあなというお店の前で、男性が刃物を振り回して喧嘩をしています。相手は血が出ています。すぐに来てください」
「分かりました。住所はどこですか?」
 分からなかったので、店員さんに携帯を渡し「110番につながっています。この店の住所を教えてあげてください」とお伝えした。説明には手間取っていたようだけど、今度は店員さんもすぐに対応してくれた。少々経過した後、店員さんに携帯を返してもらい、私はまた店の表に戻った。
 すると、喧嘩していた二人はいなくなっていた。人だかりはまだ大勢残っていた。ずっと携帯を構えていた、紫色の服を着た若い男性に聞いてみた。
「二人はどうなりました?」
「逃げました。刺された方は(南の方を指さし)あっちへ、刺した方はあっち(サンシャイン通の方)へ行きました」
 そうですか、と答え、私は少し店の内外をうろうろした後、そわそわした気持のまま元々行くつもりだったゲーセンに向かった。

 で、その事件に関するニュースがこれ。


>「男がナイフ持って暴れている」池袋で刺される(09/02 19:16)
>http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210902061.html
>東京・池袋の路上で、男性が腕を刃物で刺されました。刺した男は逃走しています。

>2日午後5時過ぎ、JR池袋駅近くの路上で、「男がナイフを持って暴れている」
>と通行人から110番通報がありました。
>警察官が現場に駆けつけたところ、男性が腕を刃物で刺されていました。
>命に別状はありません。刺された男性は
>「同じパソコンスクールに通う中国人の男に刺された」と話しています。
>警視庁は、刃物を持ったまま逃走している男の行方を追っています。


 今回の件の最中、私は事の顛末をツイッターでつぶやき続けていたんだけど、事件から少し時間が経って私がゲーセンに着き、ワンコイン目を投入した辺りから、携帯へのRT通知が鳴りやまなくなった。私が最初にツイートした「事件発生、犯人逃走中」的なつぶやきが何回も何回も、いろんな人にRTされているようだった。
 私は直前のツイートチェックで被害者が確保されたことを知っていたので「犯人が見つかったら誰か教えてー。犯人が捕まったら(古い情報が何度もRTされるのを防ぐため)さっきのツイートを消すので」とつぶやきたかったんだけど、全然つぶやけなかった。RT通知がやまなくて携帯の操作そのものができなくなってしまっていたからだ。何度も通知を消そうとしたんだけど、次から次から表示がポップアップしてきて、まるで一昔前のブラクラにかかってしまったみたいだった。本当は犯人の行方を確認したり、広がってるデマに突っ込みを入れたりしたかったのだけど…私はじきに携帯をいじるのをあきらめた。
 何時間か経過して、私は最初のつぶやきを消去した。もう事件発生直後のことを共有する必要はなくなったからだ。結局、私のつぶやきは1400回くらいRTされたらしい。事件が発生した後何時間も経った後でもRTは止まらなかった。最初のつぶやきを消しても、拡散したつぶやきをどこからか拾ってきてまた誰かがRTした。しまいには「そんなデマ流すな」とか言われたりもした(ちゃんと反論はしておいた)。


 というわけで、今回の事件そのものにも結構ショックを受けたんだけど、その後の出来事にもいろいろ考えさせられたので記録しておこうと思う。

・こういった事件とかの速報を出したりすることがあるのであれば、RT通知機能は切っておくべき(切った)。
とらのあなの店員さんの対応は少々微妙だった。店長さんを呼びに行くのもいいけど、同時にすぐに事実確認をして警察に電話、その後野次馬している人たちを店内に避難させてシャッターを下すべきだったのでは。まあ、混乱してただろうし仕方ない。何もなくてよかった。
・二人の喧嘩、正義の味方としては止めてあげるべきだったろうか? 正直そんなに勇気出なかったなあ… 被害者の命に別状なし、ということで安心したけど、これで死なれたりしていたらトラウマになっていたかも。
ツイッター上では結構情報が錯綜していた。傷害事件→殺人事件とか、とらのあな前→駅前とか。また、間違った情報がそのままガンガン共有されていったりもした。結構怖いことではあったが、ツイッターユーザーがみんなジャーナリストというわけではない以上、それは仕方ないと思う。マスメディアではジャーナリストというプロが情報の質を担保していたが(マスコミの方が信用できねーよ、という現状はさておき)、ソーシャルメディアソーシャルメディアで、そういうメディアとして割り切るしかない、というのが私の考え。
・とはいえ、情報発信する上でのコツというかマナーというか、そういうものはあるのでここで共有したい。

①自分が発した情報が間違っていた・古くなって価値がなくなったと判断できたら、該当のつぶやきは消す。「さっきのナシ!」「【拡散!!】」とかやってもその情報は大抵拡散されないので、とにかく消す。そうすれば、公式RTされたものは全部いっぺんに消えるので誤情報の拡散に加担しなくて済む。
②コメント付きの非公式RTはしない。情報発信者が①の判断をして消しても、非公式RTは消えないため。
③勢いに任せてコメントせず、一拍置く。今回私は「刺傷事件*1」を「死傷事件」とミスタイプしてしまい、ちょっと考えてから修正した。いかにも死人が出そうな勢いだったけど、まだ死んでいないので「刺傷事件」でツイートした。でも後でRTされているのを見たら、やっぱり「死傷事件」「殺人事件」としているつぶやきやブログがあった。残念。


 あと、個人的に今回一番感じたのは、以下の通り。


 私はアニメや小説や特撮番組が好きだ。人が傷ついたり傷つけられたり、死んだり、戦争をしたり殺し合いをしたりする物語が大好きだ。
 なぜなら、それがフィクションだから。人が傷つけあったり命のやり取りをしたりするのは、とんでもなくいけないことなんだということが、言外に含まれているから。仮面ライダースーパー戦隊ガンダムハルヒもシュタゲも、まったく違う人たちが作った作品なのに、何故かどの作品にも示し合わせたかのように上記のようなメッセージがきちんと織り込まれていて、登場人物たちの心情を介して私たちに「こんなことはあってはならないんだ」と教えてくれている。そういった日本のコンテンツの上品さが、たまらなく好きだ。

 私は、傷つけ殺しあう物語を好むからこそ、本当に傷つけ殺しあうような野暮なことはしたくないし見たくもないなと思った。

*1:正確には「傷害事件」と書くべきだけど、ナイフが出てきて切られていたというニュアンスを出したかったので、刺傷事件としたかった。