畠山けんじ『踊るコンテンツ・ビジネスの未来』、小学館、2005
- 作者: 畠山けんじ,久保雅一
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2004/12
- メディア: 単行本
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著者は『ポケモン・ストーリー』というコンテンツ・ビジネスの実例を挙げた名著の著者で、この本も基本的にその延長線上にあります。やや著者の勢いが過ぎる部分もありますが、日本におけるコンテンツ・ビジネスをめぐる状況や今後の展開などが分かりやすい文章で書かれています。
一見文体がすごく柔らかいのですが、この辺りにもポケモンの商品価値に対する配慮を感じる…のは穿った見方かもしれません。どうでもいいことかもしれないけど。
あと内定先の話がいきなり出てきたのにびびった。ここ研修の配属先じゃん、みたいな。
日本は資源輸入国であるため、資源を必要としないコンテンツ産業にシフトせざるを得ないという指摘は、先日芸術家の村上隆氏から聞いた「日本では作品の制作費(=人件費=地価)が高くならざるを得ないため、今良質の作品を作ろうと思ったら海外に出るしかない」という話とあわせて考えると、今後の問題点が浮き彫りになって面白いです。個人的に「コンテンツ(=文化)は地理的要因に規定される」という仮説を検討しているので、その論理的補強の一つになったらいいなあ、とか思いました。
修論ではそこまで触れられないだろうけど…