LM314V21

アニメや特撮やゲームやフィギュアの他、いしじまえいわの日記など関する気ままなブログです。

「似非SFでよく誤用される近代〜近未来兵器についての知識」に対するささやかな反論。

http://lovelove.rabi-en-rose.net/blog.php?n=216
 ガンダム好きとしてコメント。ビームの項で最初に


>「ビーム」というのは固有名詞ではなく、単なるジャンル名に過ぎない。


 と断っておきながら、その下で狭義の「ビーム」を元にガンダムに出てくるビームを批判しているのはどうかと思った。宇宙世紀シリーズのガンダムに出てくるビームはほぼ全てメガ粒子砲という固有の設定のものなので、それを広い意味でのビームという名で呼ぶことには何の問題もないと思う。「ガンダムのビーム=いわゆるビーム」と解釈されているという事実はあると思うけど…でももっと先に光子力ビームとかあったわけだしなあ。
 バズーカやバルカンに関しては書いてある通りで、ある種類の兵器の名前がそういうもの全般の通称のように思われているところがあるのは事実。まあそれも実際に未来の宇宙で戦う兵士たちが兵器の名前をいちいち正式名称で呼ぶとも思えないので、「あのバズーカという名前の兵器の形をしたザク用の装備=ザクバズーカ(または単にバズーカ)」と呼称するのは、エルメスを「とんがり帽子」と呼んだりホワイトベースを「木馬」と言ったりするようなものと思えば設定としてかなり自然なことだと思う*1。実際宇宙世紀最初のMS用バズーカであろうザクバズーカは、見た目の上でバズーカにそっくりだし。




 リンク先の方も書いていますが、まあ正直ある作品がSFかどうかなんてのはあまり意味をなさない議論だとは思います(書店の本棚の整理の役には立つかもしれない)。30年くらい前には「優れているもの=SF、つまらないもの=非SF」といわんばかりの価値基準が一部にあったようだけど、私はリンク先の「似非SF」という言葉にSFが他を見下すかのような印象を覚え、加えてまだそんな価値観を持っているのか、とか思っちゃったりします(これはあくまで単なる印象です)。誰もSFかどうかなんて気にしてねえよ、というか(これは感想)。
 ちなみに「文学」もほとんど同じ印象の言葉です。上の段落、SFを文学に置き換えても意味が通じるような。


 SFの敷居が高いのはかつてSF作品が文学として評価されなかったため他の基準を設ける必要があったから、というようなことをどこかで読んだことがあります。だとすると現状はSFにとっても文学にとっても皮肉ですね。
 あと研究者の中には「漫画は文化として優れているけどアニメやゲームは産業」と言わんばかりの空気があると個人的には感じているんだけど、それにも似たような反感を抱いているわけです。

*1:ただ、裏設定とか設定資料とかで「『ザクバズーカ』という正式名称です」となってるのを見るとさすがに私もちょっとぐんにょします。