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アニメや特撮やゲームやフィギュアの他、いしじまえいわの日記など関する気ままなブログです。

谷川流『涼宮ハルヒの退屈』『涼宮ハルヒの消失』、角川書店、2003/2004

涼宮ハルヒの退屈 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの退屈 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫)

 借りていた退屈を読み、面白いと評判の消失は買って読みました。
 「退屈」の方は短編集だったのですが、アニメで見た話が多いこともありすんなり(というか既読感を味わいながら)読めました。アニメの原作再現率が高かったということだけはよく分かりました。全く同じセリフが多いこと多いこと。
 唯一アニメ化されていない「笹の葉ラプソディ」はハルヒキョンの隠された過去が明らかになる一編ということで期待して読んだのですが、『ドラえもん』にでもありそうな割と普通の話でちょっとがっかり。というか、因縁を紹介するだけの話のような感じがしたので、他に書くことなかったのか、と思いました。
 あと、SOS団が野球をするだけの話である『涼宮ハルヒの退屈』がシリーズ初掲載作品というのには驚きました。一体どういう経緯でそうなったんでしょう? 普通受賞作からじゃないの?


 「消失」は物語のキーになる話でありかつ長門萌えにはたまらない一作と聞いていました。読んでみて、ああ、なるほど…という感じでした。1作目をのぞけば、確かに一番面白かったかも。
 しかし古典的なタイムパラドクスもの+キャラクター要素といった感じで、肝心の青春要素が欠けているように感じられたのは残念でした。もうちょっとキョンの世界に対する愛情を等身大で描けてたらなあ、と思います。個人的にはやはり1作目のキャラクターを用いた番外編、といった感じでした。しかしSOS団の行く末を見てみたいという気にさせられたという意味では、それなりに面白かったような気もします。そして自分の創作にもいい刺激になってくれている気がします。今日晩ご飯のそばを茹でながら、何か影響を受けているのを感じましたゆえ。


 というわけで、たぶん続きも買うんだろうなあ、という感じです。ラノベをシリーズ制覇するのなんて初ですよ(実は本当)。


 (追記)
 確かに「消失」の長門はかわいかったですが、個人的にはやはりハルヒキョンを応援してあげたいし、長門には納得した上でいい位置まで引き下がっていただきたいなと思っています。私は例えば『機動戦士ガンダム』で好きなMSはザクではなくガンダム、好きなキャラクターはシャアではなくアムロ、好きな軍はジオンではなく連邦というくらい主人公サイド贔屓なひねくれ者なのです。脇役の方が好き、ってことはあんまりないなあ…
 しかし…確かに長門の心中を察すると察するだけかまってあげたくなるなあ。「消失」以降の話ではちゃんとかまってもらっていることを切に望みます。


 (追記の2)
 アニメ版で本来の話数的には最終回になる「サムデイインザレイン」(唯一アニメオリジナルの話で、脚本は原作者の谷川流)についていろんなサイトさんで見直し、「消失」の内容も合わせてみてそのストーリーの意味がやっと分かりました。
 アニメ第2期を期待してもいいのかな? と思うと同時になかなか作品を大切にする作者だなあと思いました。確かに「消失」のことを念頭に置くと「サムデイインザレイン」は一層深みを増す話だし、小説でできなかったことに再チャレンジし、しかもアニメというメディアの長所を生かすという意味ではいい回だと思います。
 個人的には話としては「憂鬱」が一番面白いと思うし「消失」はアニメ化しなくてもいいかなと思っていたのですが、「サムデイインザレイン」で終わられたらその後のことを思うと後味悪くてかなわないですね。第2期もお願いしたくなりました。
 そういうわけで第2期も、願わくば同じスタッフでよろしくお願いします。…くそう、商売上手だなあ。。。