谷川流『涼宮ハルヒの憂鬱』、角川スニーカー文庫、2003
- 作者: 谷川流,いとうのいぢ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2003/06
- メディア: 文庫
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で、感想。かなり面白かったです。何が面白いかって言うと、涼宮ハルヒという女子高生が魅力的に描かれているところです。退屈な人生に飽き飽きしていていつも何か面白いことを探している、という絵に描いたような若者らしい性格にグッときました。彼女が実は…という正体に関する話は個人的には結構どうでもよくて(もちろんそれがないと話にはならないんだけど)彼女の性格そのものに魅力を感じました。非日常的なことが好き、でも本当は日常も愛してるという分かりやすい心理描写と、その心理そのものが話の軸になっているという作りがよかったように思います。また、主人公自身も夢やロマンを諦めながらもどこかでそれを期待しているというハルヒと対照的な人物として描かれていて、それゆえ彼女と仲良くやれるのかな、と思わされるあたりも見事だなあ、と思いました。
私は物語を気に入ってもキャラクターに入れ込むことはほとんどないので、このようなキャラクターの魅力で引っ張っていくタイプの作品の登場人物を気に入ることは珍しく、自分でもちょっと驚いています。シリーズの他の巻も読んでみようかしら。この作品からライトノベルの何たるかを盗みたいぜ。
以下余談。個人的な体験になりますが、高校の部活の後輩にまさにハルヒのような子がいました。ハルヒみたいに学校中の噂になっていて、ハキハキしてて大胆不敵、いつも何か面白いことを探して何でもやってみるような子でした。見た目はハルヒとはかなり違っていたけど、結構可愛かったように覚えています。
私にとってハルヒが単なるキャラクターのように思えないのは、その子の影響があるからなのかもしれません。フジタさん元気してるかな。もしここを見てたら教えてくださいね。