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アニメや特撮やゲームやフィギュアの他、いしじまえいわの日記など関する気ままなブログです。

ここ数日日記その①。

http://chara.nikkeibp.co.jp/chara/seminar/
 ここのところ立て込んでて日記書けてなかったので、ここらでまとめて書きます。まずは20日のアニメビジネスフォーラムのことから。


 朝五時起きで六時の電車に乗るつもりが、雪のため山陰本線が遅れていきなり遅刻っぽい展開に。なんとなく想像していたことが現実に。いきなり凹む。
 が、その後の超展開でなんとか10時前に水道橋の会場に辿り着く。新幹線に乗っている間寝れなかったのが、その後の日程をハードなものに。
 10時より開演。以下、内容を簡単にまとめます。

  • 最初に日経キャラクターズの中村編集長さんからの挨拶。これまでのアニメビジネスフォーラムで扱ってきた内容とアニメ界の今後の課題を簡単にまとめてくださいました。簡単にまとめてくださった10分程度のコメントだったのですが、実によくまとめられててよかったです。
  • 次にテレビ東京の岩倉さんから、内外のアニメ放送についての報告。去年の報告とかぶる部分も多かったのですが、中国・欧米でのアニメの動向が数字で知れるのはよかったです。また、VODと地上波放送の関係について結構時間を割いていたのが印象的でした。やはりネットでの視聴に人が流れるのを恐れる一方、コンテンツメーカーとしての地上波放送局というアドバンテージを生かしたい、と言うようなことをおっしゃってました。なるほど。
  • 午前中最後はノース・スターズ・ピクチャーズという会社の社長さんから。なんでも『北斗の拳』をこれから映画化・OVA化し、資金の一部を一般の人からファンドで集めようということらしい。で、その先行映像を見せてもらったのですが…正直、地雷度MAXでした。何がダメってまず声優が全然ダメ。ケンシロウ阿部寛(ドラマの『ドラゴン桜』の人らしい)、ラオウ宇梶剛士(という人)、レイナというラオウの愛人っぽいとってつけたような新キャラが柴咲コウという感じなのですが、ほんとやる気あんのか? ってくらいダメでした。豪華キャスト!! とか銘打ってるんだけど、それなら神谷明連れてこいよ。

 いかにも昔の名作で一儲けしてやろうといった感じのありきたりな企画でゲンナリしました。パチンコといいこのまえ出た2D格闘ゲームといい、『北斗の拳』は展開に恵まれないなあ、と思いました*1

  • 午後の部の最初。みずほ銀行の方から、アニメなどコンテンツファイナンスの動向について。いつもは「アニメビジネスこんな感じでいいですよ!」みたいな話なのですが、今回はコンテンツビジネスのファイナンスで失敗する/した例を挙げるという辛口な発表でした。アニメビジネスという流行りものへの苦言、しかも金融界側からの報告はあまり提示されていないので、とても参考になりました。ああ、ありそうだなあ、って感じで。

 挙げられる各種の失敗のタネ(企画がちゃんとしてないとか、配分が不透明とか)が、どれもこれも午前中の会社さんに当てはまって聞こえたのは、気のせいではないのかもしれません。

  • 次はワオコーポレーションという会社の研究科長さんからの報告。「ワオが考えるプロデューサー・演出家教育」(仮)ということでしたが、話された内容は全然違うものでした。というのもこのワオさん、アニメ製作者の大学院を作ろうとしていたのですが、文科省から許可が下りなくて*2ぽしゃっちゃったんですね。個人的にはアニメ大学院なるものがどんな教育をするつもりなのかかなり興味があったのですが、聞けなくて残念です。

 その代わりWAOグループさんがどういうグループなのかを教えてもらうことになりました。幼児から社会人まで幅広くカバーした塾や資格試験学校で、私が高校時代に一時的に世話になっていた能開という塾もこのグループの一つと知って驚いたりしました。まあ、アニメビジネスフォーラムで金を払ってまで聞きたい情報ではありませんでしたが。

  • 次は毎年お馴染みの毎日放送さん。私が研究対象としようとしている『ガンダムSEED DESTINY』について語る予定だったので、今回はこれを聞きに来たようなものです。が! ここでこれまでの疲れがどっときて私は眠りの底に…気が付いたら『ガンダムSEED DESTINY』の話は終わって、『BLOOD+』『エウレカセブン』の話に…まさにワオ。

 しかしテキストを見る限り、今回はガンダム関連の話はあんまりしなかったみたいでした。助かったのか来た意味半減なのか(多分後者)。ちなみに『BLOOD+』『エウレカセブン』に関しては、両方とも視聴率的には苦戦しているものの、グッズなどはそれなりに成功、ということ、ただやはり土曜朝の枠を開拓するのは難しかったので、今後は深夜に枠を移していく、とのこと。確かに『エウレカセブン』のあの時間帯はキツいでしょう。
 ガンダム関連の会社ということで質問タイムにはキモオタっぽいのが競って手を挙げるのが恒例なのですが、今回もお馴染みの展開でした。やれ「男アニメファンは社会から迫害されているから、『ガンダムSEED DESTINY』みたいに女の子ファンを増やすだけでなく*3、アニメファン迫害問題を扱った番組を作るべきでは」だの、「『ガンダムSEED DESTINY』の4期OPは合ってなかったんじゃないか*4」だの。ここはガノタの集会じゃねーんだっつーの。

  • 最後はプロダクションI.G石川光久氏、サンライズの宮河氏、ボンズの南氏によるリレートーク。個人的には石川氏が大好きというわけではありませんが、やはり人をひきつける能力に優れた人だなあ、と思います。異に、アニメビジネス界の中にあっては。

 I.Gの新作『立喰師列伝』(監督・押井守)の映像を見せてもらったのですが、これまたかなりヤバめでした。例えるなら「となりの山田くん」+「ミニパト」を実写っぽい画で、って感じです。これはあらゆる意味でヤバいです。よっぽどの押井マニアなら楽しめるかもしれませんが…


 かなりすっとばしですが、まあこんな感じでした。今回の印象は「アニメビジネスゴロっぽいのが顔を出してきた」ということと「批判的な意見も出せるようになってきた」という、悪い面といい面の台頭でした。流れとしては必然なのですが、ここまできたか、という感じもあります。
 まあ、来て損したということはない、有意義な会だったと思います。

*1:単に私がパチンコに興味がないだけで、パチンコの『北斗の拳』は大ヒット商品です。

*2:確か11月28日くらいのことだったので、急なことだったのかもしれません。

*3:ちなみに公演中に大阪城前で行われた『ガンダムSEED DESTINY』のイベント映像を見ました。野外での1万人ライブでTMRが歌ってました。後ろにインパルスガンダムが映っていなければ、そこそこ普通のライブっぽかったです。

*4:担当の人曰く「失敗だったとは思っていないが、人選は監督によるものなのでもし失敗だとすれば責任は監督にある。個人的には、バラード調の曲がガンダムに合わないとは思ってない。どちらかというと映像が合ってなかったことの方が問題」だそうで。私個人的にも、森口博子のことを考えればスローテンポの曲がガンダムに合わないとはあんまり思わないです。