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アニメや特撮やゲームやフィギュアの他、いしじまえいわの日記など関する気ままなブログです。

マックス・ヴェーバー『職業としての政治』、岩波文庫、1980

職業としての政治 (岩波文庫)

職業としての政治 (岩波文庫)

 今日は散髪の予約がずれ込んでしまったため、何もしない一日でした。あんまり何もしないのもまずいと思ったので、ずっと読みかけで放置していた『職業としての政治』を読み終えることにしたのでした。
 ずっと放置プレイに勤しんでいたのにも理由がないではないのです。この本、兄弟編ともいえる『職業としての学問』に比べてずっと読みにくいのです。ドイツの政治の歴史が延々と語られるのには正直参りました。政治そのものに興味がある人ならもしかしたら面白く読めたのかもしれないけど、私は何度投げ出したことか。全部でたった100ページくらいの薄い本なのですが・・・
 しかし80ページ前後からヴェーバー先生一気に語り口調に火がついて、俄然面白くなってきます。たぶん政治と倫理という高度に心情的な話題になったため、先生が熱くなりだしたからでしょう。読んでるこちらも熱くなってくる暑苦しさです。正直途中で投げ出さなくてよかったな、と思えるくらいには面白く、ためになることを言っています。ジャーナリストと政治家の関係とか、アメリカのボスがアメリカの政治にどのように貢献しているのかとか。あと、悪いことをした後のかっこいい態度のとり方とか。←マジ熱いです。最近冷め切ってるなあ、と思う方にはオススメです。でも80ページくらいまでは耐えてね。
 以下は気に入ったセリフです。

 善からは善のみが、悪からは悪のみが生まれるというのは、人間の行為にとって決して真実ではなく、しばしばその逆が真実であるということ。これらのことは古代のキリスト教徒でも非常によく知っていた。これが見抜けないような人間は、政治のイロハもわきまえない未熟児である。*1

興奮は真の情熱ではない。

*1:ここだけ読むとヴェーバーは政治家に倫理は必要ないと主張しているように読めるけど、彼の主張はその逆です。強いていえば、悪と分かっていても必要のためにその濡れ衣を着るような潔さと倫理的な強さを持った人だけが政治家になってください。それができないやつらは畑でも耕してろ、みたいなことを言っていました。熱い方です。