LM314V21

アニメや特撮やゲームやフィギュアの他、いしじまえいわの日記など関する気ままなブログです。

『オマツリ男爵』と『Vガンダム』

 両方にひっかかるブログがあったので紹介します。→ブリュンヒルドマーチ
 このサイトの管理人さん的には、今度の劇場版『ワンピース』は面白くなかったのだそうです。で、その面白くなかった点は、大きく分けて


1.作画がひどい
2.静止画が多い
3.各色一色ずつのみ


 の3点だったみたいです。


 まず1について。私的判断をさせていただくと、作画がひどいということはありません。細田流の作画なので一見のっぺりした印象を受けるかもしれませんが、それはディフォルメの度合いが強いからです。パンフにも書いてあったけど、実際にはかなり立体を意識して作画されているので、ゾロなんかはかなり奥目な印象を受けました。逆にルフィは日本人っぽい浅い顔だったみたいです。まあ一見してどう感じるかは人それぞれですが。管理人さんには顔の見分けが困難だったみたいですが、「最近の若者はみんな同じような顔をしている」などと言う中年の方の一方的な見識みたいだな、と私は思いました。


 2.について。静止画が多いのはそういう演出を得意とする人が監督をしていたからです。だから静止画が多いか否かではなく、その演出が効果的だったかどうかを問題にすべきです。「映画は動いてナンボだ!」という人もいますが、そういう人は小津安二郎の映画をどう思っているのかを聞きたいです。「アニメは動いて(以下略)」という人もいますが、そういう人はアニメーション原理主義者だと私は思います(作り手はそういう人が多いけど。宮崎監督も富野監督もそう)。サッカーでは手を使ってはいけませんが、全人類がそれを厳守していたら、ラグビーやアメフトは生まれなかったでしょう。
 あと動きが少ないという指摘がありましたが、そんなことはなかったように思います。あれ以上に動いてほしいのなら、ディズニーの映画を見た方が早いかと。途中ラフになるという指摘もありますが、それも演出です。『アンダルシアの夏』にも同じ演出がありましたが、あれよりはうまくいっていたと思います。


 3.について。色が少なくて何がいけないのでしょう。世界名作劇場シリーズはキャラクターにはほとんど影を使っていません。ディズニーやスタジオジブリのアニメも使っているのは最小限です。影やハイライトが多ければ多いほどいいというのは、80年代ロボットアニメくらいにしか適応されない価値基準だと私は思います。そもそも影や線が多い作画というのは、えてしてゴマカシも多いものです(もちろんゴマカシどころかむしろ大変になってしまう影や線もたくさんありますが)。最小限の線や色で表現することの難しさは、絵を描いたりCGやったりする人ならよく知っていると思います。
 影が少なくてダメな作品として『機動戦士Vガンダム』を挙げているようですが(Vガソ○ムと表記してあるので、Vガソパムとか私の知らない作品かもしれませんが)、これに関しては私としてはもうなんとも言えません。
 ガンダムレビューの方にも書きましたが、Vガン初期の作画がひどいのは事実です。しかしそれは画自体が本当にひどいのであって、色や影が少ないのとは直接関係ありません。まあ線や影で誤魔化すことはできたはずですが、仮にそれをしていたとしても絵自体がひどいことには変わりません。作画のよさ=描き込みの多さではないのです。
 逆に後期になると、色や影はほとんどないままで絵そのものの質は格段に向上していて、いい回が増えています(ハズレの回も多いですが)。第48話「消える命 咲く命」なんかいい例だと思うので「Vガン=絵が汚い」と思っている方は一度見てみるといいと思います。


 劇場版『ナディア』の話題を出すあたり、管理人さんはちょっと年配のアニメファンのようですが、アニメの見方は私とは大きく違うのだな、と思いました。